この日常（ラブコメ）は陰キャオタクにはキツ過ぎる！？

第15話 考え方変わっちゃうよね？

　あの後少し店の中をうろついていたら美波から電話があったため、フードコートに戻るとそこには美波の姿はなく月だけがいた。

「あれ？美波はどこ行った？」

「美波さんならついさっき帰りました。」

「マジかよ。どうする？俺達も帰るか？」

（よし！この流れで帰りたい！）

「まさか。この後も買い物に付き合ってもらうつもりだよ！」

（そううまくいきませんよね～）

　蒼の浅はかな目論見は完全につぶされてこの後もかなり長い時間月の買い物に付き合わされたのだった。

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「もしもし？美波か？」

　蒼は家に帰るとすぐに美波に電話をかけていた。

「うん。美波だけどどうしたの？」

「どうしたのじゃねえだろ。なんでお前ひとりで帰ってくれてんの？あの後結構大変だったんだけど。」

「だって、せっかくの二人のデートを邪魔しちゃいけないかなって思って。」

　美波はおどけた様子でそんなことを言っていた。

「だから、俺たちは付き合ってないって言ってるだろ？」

「でも月ちゃんは蒼とデートしてるつもりだと思うよ？」

「それはそうかもしれないが、」

「だから邪魔しちゃ悪いかなってね。」

「わかった。その件はもういい。それよりもお前あいつに俺のことなんか言っただろ？」

　蒼はいつものめんどくさそうな声音ではなく少し真剣な声で美波に聴いていた。

「なんでわかったの？」

「やっぱり言ってたのか。」

　蒼は少し呆れたように言っていた。

「あれ？私もしかしてカマかけられた？」

「まあそうだな。お前と話した後のあいつの様子が少し変だったから聞いてみたらお前がまんまと引っかかったってわけだな。」

「ねえ。蒼はまだあのことを気にしてるの？」

「別にもう気にしてなんかいない。ただ、他人を信用しようとは思えない。昔あんなに好きで信用していた奴にまで裏切られたんだ。これで一体他人をどう信用しろっていうんだ。」

　蒼は少し声を荒げながらそういった。

　やはり、蒼にとってあの一件は人生を変えてしまうほどのものだったらしい。

　実際蒼の考え方や生き方は以降完全に変わってしまったのだ。

「そっか。」

　美波は小さくそうつぶやいていた。

「すまない。少し熱くなってしまった。」

「ううん。気にしないで。あと月ちゃんに勝手に話しちゃってごめんね。」

「いや、気にしないでくれ。どうせあいつに聞かれまくって近い将来言わざる負えなかったと思うし。」

「そっか。でも、一つだけ聞かせて。蒼は月ちゃんのことが嫌いなの？」

「さあな。自分でもわからん。けど多分嫌いではないんだと思う。」

「まあそーだよねー。月ちゃんめっちゃ可愛いもんね？」

「そんなんじゃねえよ！！」

「はいはい。わかったわかった。じゃーねー」

　そういって美波は通話を切ってしまった。

「はあ。疲れた。寝よ。」

　蒼はそういうと布団にくるまって寝ることにしたのだった。