第10話 誰だって物忘れ位しちゃうよね?
翌日
蒼はいつも通りに朝起きて顔を洗い歯を磨く。
休日でもしっかりと朝起きる。
8時くらいに優雅に朝食をとっていた。
「ああ。やっぱり休日の朝に飲むコーヒーは最高だな。」
そんなことを一人でつぶやいていると、
ピンポーン
チャイムが鳴った。
「あれ?こんな時間に誰だろうか?グッズでも頼んでたっけ?」
蒼は椅子から立ち上がると玄関まで言ってドアスコープを覗く。
そこには天使のように美しい女性がいた。
金色の長い髪をポニーテールにして結んでおり、少し化粧をしているのかいつもよりも雰囲気が大人びて見える。
服装は水色のワンピースを着ておりまさに清楚といったような格好であった。
(なんでこいつが来てるんだ?)
蒼は疑問に思いながらもとりあえずドアを開ける。
玄関前で騒がれたら面倒で仕方ないからだ。
「こんな朝早くからどうしたんだよ?」
「どうしたって、まさか忘れてるの?」
心底驚いたといった表情で蒼を見つめる月。
驚きの表情の中に多少の怒りの色が見えているのはきっと蒼の気のせいではないだろう。
(忘れてる?一体何のことだ?こいつと何か約束事なんてしてたかな?)
「忘れてるっていったい何のことだ?」
蒼は素直に月に聞いていた。
完全に悪手である。
「はぁぁぁぁぁ!?」
呆れと怒りが半分半分のような声を上げる月。
どうやらかなり怒っているようで腰に両手を添えながらプンプン怒っていた。
(え?何こわっ。)
「とりあえず中に入れて。」
「え、いやでも。」
「でももくそもない!とっとと中に入れなさい。」
今までで見たこともないくらい怒っているらしくかなり食い気味で蒼に詰め寄っている。
「はい。わかりました。」
これ以上怒らせると不味いと思ったのか蒼は素直に月を家の中に入れることにした。
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「そこに正座!」
家に入るや否や月は蒼に指をさしてそういっていた。
「え?なんで?」
「せ!い!ざ!」
かなり強い語気で命令してくる月。
「はい。」
素直に正座する蒼
(美人って怒ると怖いんだな。)
そんなことを正座しながら呑気に考えていると、
「なんで私がこんなに怒ってるかわかる?」
かなりめんどくさいことを蒼に聞いていた。
(終わった。これがラブコメなどでよくみられるメンヘラなどがよく使う文言。これを言われたらどう返しても終わりだ。「わからない」と答えれば「なんでわからないの!」と怒られ、何かいってそれが間違っていた場合も怒られる。この文言を言われた時点で終わり。)
蒼は高速でしょうもないことを考えていた。
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