第2話幼馴染み
あれから…母さんの特大の雷が俺の頭に一直線に落ちた。それは見事にドカン!─と…。まあ、しょうがない…口を滑らせてしまった俺が悪い。母さんに胸の話と歳の話は禁句なのだ。これ絶対!
「聖夜ぁ〜?」
一階の階段下から二階に居る俺に向かってどうやら母さんが呼んでいる様だ。そんなに大きな声で呼ばなくても聞こえてるつ~の!
「―何、母さん?」
「さっき…あんたはまた、私の事で失礼な事を考えなかった?」
怖っ!?どういう電波受信してるんだよ!?
怖い!怖い!怖すぎるよっ!?
「な、何も考えてないよ!」
「おかしいわね?何かあんたから不快なモノを感じたんだけど…」
「…父さんじゃないの?」
ゴメンよ…父さん…。
「…かも知れないわね…分かったわ」
心の中でも母さんに対して失礼な事は考えない様にしておこう。もう一つコブが増えたらネズミになってしまうしな…。ミッ◯ーマウスかっ!?そんな事を考えながら俺はベットに横になり…やがて睡魔に誘われるがまま夢の中へと旅立った…。
***
翌朝何か甘い良い匂いに包まれながら目を覚ます…。
「あっ…起きた?」
「うおっ!?」
俺が眠るベットで俺の真横に添い寝する様な形で寝転がっていたのは隣の家に住む幼馴染みの
先に言っとくけど俺はゲームで推し以外攻略した事がない。だから他のヒロイン達のイベントなんかは見た事も聞いた事もないのだ!俺って一途だろ?
まあ、結伊は隣に住んでる事もあるし、昔色々あって懐かれた感じだ。俺にとっては同級生というよりも年下の妹みたいなもんだな。たぶん…結伊も兄妹みたいに思ってるんじゃあないかな?
「―その反応…結構傷付いちゃうんだけど?」
頬を膨らまして、いかにも不満とアピールしてくる結伊…。
「あのな〜 男のベットに潜り込むなと何度言ったらお前は分かるんだ?」
「…聖夜以外にこんな事しないのに…」
(するつもりもないし…)
「…何て?よく聞こえないんだが?」
「聖夜の馬鹿と言ったのっ!」
「朝から人を馬鹿呼ばわりするなよな…」
「馬鹿だから馬鹿だと言ったのっ!」
「─で、そんな事よりも、結伊はこんな朝っぱらから何しに来たんだ?」
「えっ…買い物に付き合って貰おうと思って来たんだけど?」
「…またか?」
「またかって何?私が誘いに来たんだよ?」
「…へいへい…付き合えばいいんだろ、付き合えば…」
「そうそう!最初から私の誘いに素直に乗ればいいんだよ!」
「全く…知らないぞ?また、噂になっても…」
他人から見てもなんとなく距離感が近い感じがするのか一時期俺と結伊が付き合ってるんじゃないかと噂になったんだ…。結伊も慌てて否定していたし、勿論俺もちゃんと否定したけどな…。
「…べ、別に聖夜となら…」
「だからもう少し大きな声で言わねぇと聞こえないんだが?」
「もう!早く用意してって言ってるの!」
うおっ!?何で急に怒るんだよ?
「…ったく、何でそんなに怒ってるんだか…せっかくの可愛い顔が台無しだろうに…」
「ふぇっ!?…あっ…ぁっ……可愛いって…言われた…えへへっ…」
「?」
何だ?いやんいやんしながら頬に手を添えてはにかむ様に笑ってるんだが…?何かおかしいものでも食べたのか?
そんな事を考えながら俺は着替える為に着ていた服を脱ぎ、上半身裸で着ていく服を選ぶ…。
「あわわわわっ!?」
「どうした結伊?」
「は、裸のままうろうろしないでよ!」
「男の裸に需要なんてないだろ?」
「…私…絶対…今日眠れないよ…」
「眠れないって…そんなに気色悪かったのか!?」
「もう!もう!聖夜の馬鹿ぁぁぁー!わ、私リビングで待ってるから早くしてよね?」
ホント何なんだよ?訳分からん…。それと部屋のドアは閉めていけよな?
「聖夜どうかしたの?結伊ちゃんの声が聞こえたんだけ…ど………えっ?」
「えっ?」
結伊の声が聞こえたのか姉さんが来たんだけど…その目は大きく見開かれている…。
何故?
こ、ここは冷静に考えてみるとしよう…。部屋には上半身裸の俺。ドアは開いており、結伊の声は聞こえたのに結伊はこの場には居ない。ここから導きだされる答えは―
俺が結伊を襲い、結伊が逃げた?まさにそういうシチュエーションじゃね!?
「姉さん違う、違うからな?」
「何が違うのよ!何がっ!結伊ちゃんを襲おうとして逃げられたんでしょ!?」
「ちげぇー!?断じて違うから!」
やっぱりそう思っていやがった!?
「無理矢理嫌がる結伊ちゃんを…」
「おおぉぉぉいぃぃ!?話を、俺の話を聞けよ!姉さん!?」
(俺は今でも推し一筋だぞ!?)
「結伊ちゃん可哀想に…傷物にされて…」
「嗚呼…もう! 姉さんのピンク脳め!エロい事ばかり考えてからにっ!」
「ピ、ピンク脳!?え、エロっ!?」
あっ…ヤベッ…。姉さんの顔つきが変わった…。またこれは面倒な事になりそうだ…。今度から部屋に鍵でもつけようかな…。
うん…そうしよう…。
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