第6話 ピアノは弾けなくても文句言わんのに・・・

パソコン関連のサポートで何時も思っていたことがある。

ピアノを購入後「ショパンが弾けない、お前の所のピアノは不良品だ!!」とか、自動車を買って「塀にぶつけたのはお前の所の車が不良品だからだ!!」とかいうお客様は少ないと思う。

少ないというのはそう言った阿保な事を言う人は極少数だがいる。

そういう方々をコールセンターなどではお客様として見ていない。

クレーマーと言うのはある種お客様と見ているからこそ付けられる言葉であって、お客様と見做していない人々の事は輩(やから)と呼ぶ。

話を戻すが、パソコン関連の場合はこの輩が非常に多い。

「お前の所のパソコン買ったけど使えないじゃないか!!」と怒りで怒鳴る人は可成り多い業界ではないかと思う。

「パソコン使えないのに買うなよ」とは言えない。

勿論、他の製品も同じで、「使えないなら買うな」とは言わないが、使えないと解ってて買った上で使えないことに文句を垂れる製品の一つがパソコンだろう。

使い方を教えて欲しいと言うのなら理解できるが、使い方を知らないだけなのに不良品と叫ぶしこの手の輩は人の話も聞かない。


「お前の所のパソコンは使えんな。不良品じゃないのか?」

「使えないというのは操作がお分かりにならないと言う事でしょうか?」

「はぁ~?パソコンは何でもできるんだから出来ない時点でおかしいだろ!!」


はい、パソコンは猫型ロボットではありません!!

何でも出来ないですし、出来ることも初期段階では限られています。

ソフト(アプリ)をインストールして初めて出来るようになることは多々です。

これ言ってやりたいが、言っても聞かないから言うだけ無駄。


「何をやりたいんですか?」

「インターネット観たいんだよ!!」

「確認ですが、回線の契約とプロバイダは何方をお選びですか?」

「なんだそれは!!」

「いえ、インターネットをする為には回線契約とプロバイダーと呼ばれる業者との契約が必ず必要です。」

「それをしてないと出来ないのか?」

「はい、出来ませんね」


例を挙げたらきりがないが、こんな初歩の初歩すら知らないで怒鳴り声をあげる輩たち。

そもそもの話し、相談する場所が違うからな!!

パソコンメーカーはインターネット契約の有無を確認したりするところではそもそも無いからな。


「エースさん、また変なのから電話ですか?」

「おう、何時もの使えないから不良品って青年の主張だ」

「青年って(笑)」

「青年かどうかは知らんけど、青年の様に物事を知らないのは確かだな」

「それって青年に失礼ですよ!!」

「そうか?」

「そうです、青年の方が物事知ってますよ!!」

「あ~そうだな、確かに青年の方がパソコン使えるし、流石にこんな阿保なこと言わんな」

「そうですよ~青年の皆さんに謝ってください」

「変な輩と同列に扱ってごめんなさい」

「まぁ許してあげますよ」

「てかな~お前は青年じゃないだろ!!」

「何処からどう見ても青年じゃないですか!!」


青年の括りはどうやら広いらしい。

我が部署の青年は今日も「仕事ダリ~」と宣っている。

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