2日目
Day 2
腕時計のアラーム音に飛び起きたら、もう正午過ぎ。
……見事に寝坊してしまった。
私は今、ショボショボした目で火の付いた固形燃料を眺めている。
”はぁ……熱いシャワー浴びたい”
人体からのCO2や
正直気怠い。間違いなく色々と慣れない事をした所為だろう。
主犯と共犯を兼ねる彼を恨めし気に思いつつ、自分でも呆れるほど緩慢な動作でレーション箱から軽めのモノをざっくり二人分選び取って、テーブルの上へ。
「
食器すら無い、優雅さから程遠い食卓。
それでも、せめて目覚まし代わりにと、コーヒーとココアを淹れてみた。
勿論、マグカップなんて便利な代物は無いため、フウフウ言いながら缶詰の空容器から直に熱い液体をすする。
乾燥コーヒーは粉っぽいが酸味とコクがあり、意外に悪くない味。
隣に座る人物を横目で盗み見れば、即席ココアにご満悦の表情を浮かべている。
”ミネラルウォーターを沸かした甲斐があったわね……”
考え事ができる程度に頭がシャッキリし始めたのも束の間、今度は昨日から続く拍動性頭痛がぶり返してきた。
逃走資金以前に、《
「何? アレックス」
跳ね上がる心拍を気取られぬ様、なるべく平静な口調で短く問いかける。
勿論、目線は合わせないまま。
実は起きてからコッチ、最低限の会話しか交わしていない。
情けないことに、昨晩の過剰なスキンシップのせいで、どんな距離感を保てばよいのか分からないのだ。
「ねぇ? 今日はどうするの? おねーさん」
屈託や夜更かしの影響が微塵も感じられない、性別不詳のハスキーヴォイス。
年齢相応の元気さと言ってしまえばそれまでだが、昨日とは少々雰囲気が変わった気がする。
そしてどうやら、昨晩の行為について自分から触れる気は無いらしい。
無意識に何かを期待していたのか? していなかったのか? とにかく盛大に拍子抜けした私は、投げやり気味の軽口を返す。
「とりあえず、ちゃんと服着ようか」
誰も指摘しないが二人とも半裸に近い。彼に至っては、上半身に毛布だけを羽織った姿だ。
どちらともなく苦笑いを漏し合って、ようやく相手の顔を直視することが出来た。
既に《野営モード》が解除されたe-
”未成年相手に
そう折り合いをつけた私は自嘲の笑みを隠すため、温くなり苦みが増した液体を口にする。
ふと顔を上げれば、《蟲》のモノらしき粘液で汚れたフロントガラスの向こうに、黒々とした曇天が見えた。
「さぁ、食べちゃわないと」
雑談を交えつつ、クリームチーズを掬い取った全粒粉ビスケットを口に運ぶ。
アレックスの食の細さが少々気にかかるが、《
対する私は食欲旺盛。デザート代わりの果実ピューレまで完食した後は、さっさと加熱器の片付けにかかる。
――昨日とは空の様子が違う。雨降らなきゃいいけど。
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