第6話 ゴーレムだらけ
※次回未定。明日投稿したいけど……。
◇
人名:天野晴人(あまのはると)
種別:スライム種
魔物名:ブロンズスライム
レベル:20
攻撃力:45
魔法攻撃力:45
防御力:3000
魔法防御力:3000
ユニークスキル:魔法完全無効、蘇生
スキル:軟体化(デメリット:防御力急低下)、取り込む、ストック
魔法:火属性上級テラファイア(ストック、残り10)
ストック:テラファイア(残り10)
取り込む(引き継ぎ限度1):テラファイア(成長補正魔法攻撃上、魔法成長率上昇、火属性耐性付与、通常攻撃時に火属性の追加ダメージ)
◇
【取り込む】のスキルはバフ効果付きの武器みたいな感じだったのか。
取り込んだ相手のスキルとか魔法をただ使えるようになるよりも、なんというかゲーム的で……すげえ燃えてきた。
ジュリアのためのレベル上げもいいんだけど、俺もオタクゲーマーだからさ、結局時キャラの直接強化とかやりたくなっちゃうわけで。さっき言ったかもだけどやっぱこれでもかってくらい強くなりたいわけよ。
ヘリオスの討伐は済んだからダンジョンに潜らなくてももうしばらくは安全かもだけど……ああ、足が勝手にダンジョンに。
いや、俺今はスライムだから足なんてないんですけどね。
にしてもいっぱい食べて腹も足も重い。
いや、俺今はスライムだから足なんてないんですけど――
『ヘリオスがアイテムをドロップしました。火の魔石(大)。新たに持ち物欄が解放されました』
俺の小粋な小ボケを無視したアナウンス。
アナウンスと仲良くやっていくのもハードモード入ったな。
ま、そんなことより……アイテム、か。
火の魔石、は結構高く売れるんだっけ。それとイベント用にあれができたような……。
ま、とにかく有効活用しようたってモンスターの姿になってる今じゃどうしようもないな。
換金できる冒険者ギルドや金を使える店も全部内の世界、人里でだけ。
もしモンスターの姿で村や街に踏み入れれば冒険者ギルドの奴らか、それとは別の自治体が出てくる。
そもそも入り口にはちゃあんと結界が張ってあって、その踏み入れるってことができないっていう世界設定。
今後もダンジョンに侵入したりするなら移動系のアイテムとかポーションとかあれば便利なのに。あ、そういえば食料とかの準備してないじゃん! 時間があるならせめて水だけでも――
「くそったれがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! 今! 殺しに行ってやるからなあああああああああ!!!」
思ってた数倍早いっ!
ヘリオスよりもレベルが高くて厄介なスキル持ち、害悪遅延行為ボスのセネレがもう来ちゃったか。
なんか見たところ植物を操るスキルで背中に翼みたいの生やして飛んできたっぽいな。
まだちょっと距離は有るけど。ギリギリ攻撃範囲内かも。
……。さぁてじゃあようやくダンジョンと行きますか。と、その前に……。
「ぷぺっ!」
初ダンジョン侵入を一緒に祝ってもらおうかな! 持ち物欄から火の魔石を取り出し! テラファイア、1発使うぜ!
――ひゅー……。ばんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!
取り出しを要求して俺の目の前に現れた火の魔石。
それを口の中に入れて、宙に向かって思い切り吐き出した。
すると軟化のスキルを使って弾性を持つ身体となった俺が吐き出した火の魔石は人間の身体じゃ到底不可能な高さまで上昇、からの落下開始。
少しずらして放っていた以前空高く昇ろうとするテラファイアと……衝突。
当たりに響く轟音。
その後も続いて鳴り響く破裂音。
そう。この火の魔石は年末年始やクリスマス、あらゆる場面で花火を発生させるために使われるゲームアイテムなのだ。
しかもこの花火、攻撃にも使えて……。
「え? なにこれ? あっ! あっぢ!!」
相手を燃焼状態にさせることができるんだよなあっ!! あわよくば俺がダンジョンに潜ってる間に焼けきってくれや!! あははははははは!!
あー。これで唯一こいつが村を襲うかもって心配もなくなったぜ! そんじゃあなセレネさんよお!
「くっそくそくそくそおおおおおおおおおおぉぉぉおおぉぉおおっ!!」
――パチ、パチ。
「ぷっぺっ!?」
『火の粉がこっちにも飛んできてますね。アイテムによる爆発、およびそれに伴う状態異常は使用者にも有効ですよ』
へぇそうなんだ。……。だからそういうの早く言ってよ! ヤバい! こっちに火、くるっ!
自分の手で作った(スライムだから手なんてないけど)、火の手が襲ってくる状況から逃げるために俺はその足で(スライムだから足なんてないけど)洞窟の中へ全力疾走を開始。
そして少し走った先にあった階段を下って、本格的にダンジョンへ侵入。
実はリアルダンジョンに緊張してうだうだしてたりもしてたんだけど、まさかこんな形で侵入することになるなんて……判断はやっぱり早い方がいい!
それにほら、階段を下りきって1階層に入ってもまだこんなこと考えてるからモンスター、この階層だとノーマルゴーレム1種しか出ないけど、それが集まって集まって……。
「「ぐご?」」
「「ぐああが?」」
「「ぐあっ!」」
「「べごあっ!」」
「「ぎぃあぁあっ!」」
「ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!」
……。いやいやいやいや集まり過ぎでしょ。
ぱっと見30……どころじゃないね、50はいるや!
ついでに言うとノーマルに紛れてレッドゴーレムとブルーゴーレムもいるねえ。
やばいねえ、これ。
おっかしいな。ゲームの時は序盤確かにここは危険な場所だからって頑なに通れなくされて強ダンジョン感万歳だったけど……後から入った時ここまでひどい有様じゃなかったよ。
『その時は既にこの世界を牛耳ろうとする魔王の配下、モンスターの強化、変異を進める幹部を倒していました。今回はそれより前。つまりはこれがこのダンジョンの真の姿というわけです』
なるほどね。そういう裏設定というか作り込まれたお話嫌いじゃないよ。
でも、でもさぁ……これなら外の方が安全では?
――ビィン。
――パキパキパキ。
「ぷぺ!?」
『ゴーレムたちによる攻撃、レッドゴーレムのスキル熱線とブルーゴーレムのスキル冷線が飛び交い始めましたね。そんなこと考えてる間に死にますよ。あ、蘇生のデメリットの1つには現実に影響を及ぼすものがあってですね、このゲーム経由でパソコンをハッキング。今まであなたが貯めていたお宝映像が家族や知り合いに――』
絶対死ねない。負けられない戦いが、ここにある。
うらあ! もう熱いとか冷たいとか言ってる場合じゃない! 喰らえ! 俺の渾身のスライムタックルをっ!
「ぷっ、ぺえっ!!」
綺麗に一直線な熱線、鼻水が垂れそうなほどの冷気のビームを気合だけで受け止めて前進前進前進。
なんとかブルーゴーレム1匹の側まで近づいて一撃を入れた。
ダメージは……。
◇
種族:ゴーレム
名前:ブルーゴーレム
2950/3000
◇
たったの50。
これ絶対勝てないやつ?
えっとどうする? どうするの俺!?
「ぷぺ! ぷぺぺ……」
避ける。スライムアタック。避ける。スライムアタック。いつのまにか光線喰らいまくり。慌てて避ける。スライムアタック。避ける。スライムアタック。いつの間にか光線喰らいまくり、からのノーマルゴーレムの素殴り。
大体……20分、くらい? もう目が回りそうなんだが。
相手の情報確認とかの余裕すらな……って言ってる側から喰らえスライムアタック! ってどうせほとんど効かないんでしょうけど。せめて、せめて魔法が連発できれば……。
範囲攻撃。範囲攻撃がないと……。なんかどんどん増えてるっぽいんだよこいつら。
そのせいで熱線と冷線でもう視界が線でいっぱっ――
「ご、あ……」
『レッドゴーレム1匹の絶命を確認。経験値1000を獲得。レベルが21になりました。取り込みが可能です』
飛び交ってた冷線がレッドゴーレムに当たって……。倒せた?
あれ? もしかして増えたことで仲間同士の攻撃が当たって……ワンチャンある? あれ? もしかしてこうしてうだうだ逃げてるだけでレベルが、なのか?
「――ごあっ!」
「ぷぺ……」
違う……。ちょっと冷静になって相手を見て見たけど、こいつら一定回数攻撃すると身体の一部が崩れて……。その破片が新しいゴーレムとして成長してるっぽい。
つまりこいつらは攻撃すればするほど数が増える。
……。ということは、だ。
――テラファイア。
けちらずテラファイアでゴーレムに攻撃。散った沢山の破片で……やっぱりその数は増えた。
ちなみに新しく生まれ、小さいままだとそれを起こせないようで、元となったゴーレムも連続ではそれが起こせないらしい、が……。
「ブルーゴーレム2体、レッドゴーレム2体の絶命を確認。経験値4000を獲得。レベルが25になりました。付与可能経験値10000。レベルは次第に上がりにくくなります。取り込みが可能です」
これあと8回分の魔法しかないけど、上手く使ってやればかなり効率よく経験値稼げるんじゃね? というかこいつらも取り込んでやればそのスキルで……。
「ぷぺっ!(取り込み!) ぷぺ!(取り込み!)」『2回の取り込みによってスキル熱線を2回取り込めました。スキル熱線をストックしました。2回取り込めたことで2回目の取り込みの効果を選択できます。同属性のスキルか魔法の回数を回復、あるいは同名のスキルを重ねることが可能です』
ウイルス フリー。www.avast.com
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。