第19話

―車内―

葵父「今回は葵が世話になったみたいだな」

鯷球「こんなにもらうほどではないと思うんですが…」

葵父「俺らには掛け替えのない宝物なんだ。俺と母ちゃんの間には子供が産まれにくくてな。それで唯一産まれてきてくれた可愛い娘なんだ。お金で買えるんならいくらでも出してやるさ。もちろん限界はあるけどな。ガハハ」

鯷球「そうなんですね。可愛らしいですもんね葵ちゃん」

葵父「球ちゃん相手なら俺はいいぜ?変な虫がつくよりよっぽどいい」

鯷球「いや、葵ちゃんまだ高校生だし。こんなおっさんが相手は可哀想ですよ」

葵父「そうか?そうでもないような気がするんだけどなぁ」

鯷球「どう言うことです?」

葵父「いや、なんでもない。今のは忘れてくれ。そして葵に何も言わないでくれ。父ちゃんが嫌われちまう」

鯷球「男の約束ってやつですね」

葵父「古臭えけど、そんなところだ」

鯷球「大丈夫ですよ」

葵父「よし、ついたな」

鯷球「ありがとうございました」

鯷球「さて、この魚たちをどうするか…」

「――――――――――。――――――――」

?「そうか。ついに動き始めたのか…」

鯷球「刺身に漬け、煮物と…作ってる間に12時過ぎちまった…」

時計に目をやりつぶやく。

鯷球「寝るか」

―次の日―

今日は久しぶりに依頼が入った。

起きたのは10時。依頼が10時半から。

超特急で支度をする。

ギリギリ、待ち合わせ場所であるホテルに来た。

ロビーには色々な人が居た。

とりあえず時間まで座って待つ。

30分。誰も来ない。たまにある。依頼料を受け取るのは依頼終了後である。依頼するのを諦めたのだろうか。そう思い立ち上がる。

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