第6話

いつも通り、繁華街を散策するが、今日は依頼が舞い込んでこない。

どうやら今日はお休みなところが多いらしく、魚屋や八百屋が空いていない。

張り紙が目に入り、気づく。

“本日町内会の父母さんで旅行に行ってきます。明日にはまた開きます”

鯷球「なんだ、今日どこも空いてないのかぁ」

ふらふらと歩き公園に辿り着く。ここは学生が屯するところとして有名で暇な時は若者と接触し、刺激を感じる。

?「あ、球ちゃんじゃん!今日も暇なの?」ブランコに座っていると知っている声が聞こえる。

鯷球「今日もとか言わないの。昨日は依頼一件こなしたんだから!そう言う茜ちゃんこそどうしたの?」

茜「どうせまた猫探しとかでしょ?探偵ならもっと活躍しなきゃ!」

鯷球「ぐぬぬぬ…」

茜「今日は葵とご飯しにくの!」

鯷球「あぁ魚屋の娘さんね、今日父母さん旅行に行ってるからか」

茜「そういうこと!球ちゃんも一緒にくる?」

鯷球「うーん、それたかろうとしてない?」

茜「流石は探偵、よく気づきますな…」

鯷球「茜ちゃんが大体誘う時ってそういう時だって流石に学んだんだから」

茜「でも私がSNSの使い方を教えてあげて、実際依頼が来たのは事実でしょ?」

鯷球「ぐぬぬぬ…」

茜「それじゃ葵が来たみたいだから、球ちゃん!仕事頑張って〜!」

葵「球ちゃん!カルパッチョ美味しそうだった!今度作ってー!」

鯷球「いや、お母さんに頼みなさいよー!」

葵「バイバイー!」

鯷球「行っちゃったよ…」

ブランコを降りてまた、歩き出す。

次に目指すのはパチンコ屋。

歩いて5分ほどしたところにある。

?「お、球ちゃん。玉出しに行くのか?」

鯷球「違うよ、おっちゃんに会いに来たんだよ」

おっちゃん「それじゃ、今日も一発行っておきますか!」

鯷球「お願いします!」

空き地に移動して、おっちゃんと組み手をする。

おっちゃんはジークンドウっていう拳法の使い手らしい。とても強い。

教わって2年、まさか酔っ払いのおっちゃんがこんなに強いとは思わなかった。

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