第5話

―自宅―

鯷球「またいっぱいもらっちゃったよ…」

ビニール袋が5枚全部重たい。

鯷球「料理すると疲れるんだけどなぁ」

エプロンを出して、チャチャッと作り始める。

ご飯は冷凍、出汁は元々とってあったものを使い味噌汁を作る。もらった魚はカツオ。切り分けて、野菜と一緒に盛り付けて、魚屋さん特製のタレをかける。

フルーツも切り分け皿に盛る。

残りのもらったものは分けて冷蔵、冷凍しご飯がチンできたら味噌を溶き味噌汁が完成。

器に盛り付け、写真を撮る。

SNSに上げると認知度が上がるよと2年前に知り合ったJKに教えてもらった。

おかげで探偵業と若干インフルエンサーとして地域貢献をしている。はず。

ご飯を食べ、片付け。ハッシュタグをつけてSNSに投稿する。

#八百屋のお姉さん、サービス最高!#魚屋のタレがめっちゃ合う!

#ご依頼はたまたま探偵まで!と書き連ねる。そして投稿すると通知がうるさくなるので、電源を切る。

テレビはないのでパソコンを起動し、今日あったことや好きな投稿主の動画を見る。この時間こそ嗜好である。

今のところ明日は依頼が入っていないため、そのまま動画を見続け、寝落ちする。

―次の日―

変な姿勢で眠っていたから、身体が痛い。

軽くストレッチをしてキッチンへ向かう。

冷凍庫にあるご飯をレンチンしている間にお湯を沸かす。

その間に漬けておいた味玉と貰い物の漬物を出す。

昨日、八百屋さんからもらった糠漬けである。

きゅうりとナスを切って、皿に盛り付け、ご飯をレンジからだし、お椀にフリーズドライの味噌汁を放り、熱湯をかける。

朝ご飯を食べ、残ったお湯でコーヒーを作る。

携帯の電源をつけ、通知が鳴り響く。

コーヒーを飲みながら、パソコンをいじる。

通知が鳴り終わった後、依頼を確かめる。

やはり今日は依頼がない。一日の依頼が入らないように余白を埋める。

今日はゆっくりできそうだ。

コーヒーを飲み終えると、身支度をし、家を出る。

春の陽気をしっかり吸い込んで、今日も街へ出かける。

今日はどんな依頼が舞い込んでくるのだろうか。

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