ルカのイミドナショッピングガイド②
あゆむとマリとグラドと今度はいつもいくおすすめの食料関係のお店と雑貨店を紹介するためにルカはまた案内を始めた。
「ここで暮らし始めてからずっと言ってるお店に連れていくね。」
ルカは迷うことなく道を進めていく。
(ふふふ・・。なんか人に役立つってなんか嬉しいな。あゆむくんや
マリさんやグラドくんが喜ぶといいなあ。)
ここで暮らしながら、時々思うことがある。
自分って何ができるのだろう?って
ここに転移されて、スキルがショッピングでお買い物をしている。ただそれだけ。
(いやあねぇ・・。だってこういう転移とか転生者の登場人物って色々とチート属性があったりしたりしてなんらか世界に貢献してるじゃない。それにひきかえ私ってなんだろう?って思うのよね。だから・・。私が知ってる”知識”をほんの少しでも人に貢献できるのが素直に嬉しかったりするのよね。)
私は巻き込まれてしまっただけ。で、放り出されてしまった。リーノさんがいるからこの世界で生きていけるけど、きっとリーノさんがいなかったら私だけではこの世界では生きていなかったと思う。
(だから・・リーノさんに依存しているのよね。そう・・生まれ立てた雛がインプリンティングしてるような感じよね。今は恋だと自覚してるけど。)
でも。時々不安に襲われながらも明るく生きていけることができるのはここで知り合ったお店の人の出会いだ。
最初はちょっとしたきっかけ。そのきっかけから人と人が繋がる。
そのきっかけが世界を広げてくれる。その世界が自分を受け入れるか受け入れないかは結果的に自分に関わるのだろう。
あゆむくんたちがこれから新しい生活を進めていくきっかけを作るために新しい世界を知っていくために、私はほんの少しだけきっかけを作るだけ。
「あ!ここだよ。ここの野菜やさんがおすすめなの。」
あゆむたちはルカの言葉に立ち止まる。
「あら?ルカちゃんじゃないか?どうしたんだい??」
「こんにちは。アマさん!そうなの。友達が引っ越してきてね。おすすめのお店を紹介してるのよ。」
「そうなのかい?それは嬉しいねえ。商売に口コミは大事だからね。こうして連れてきてくれるとはありがたいよ。で、この三人が友達なのかい?ルカちゃんの友達なら、こっちも勉強させてもらうからね。贔屓しておくれ。」
「「「ありがとうございます。」」」
あゆむくんは笑顔で、マリさんとグラドくんは少し堅い笑顔になってる。
二人とも少しだけ頬を引き攣らせてるけど、どうしたのだろう?
「マリ。グラドどうしたの?なんかいつもより笑顔が固くない??」
「え?そそそそそそんなことないですわ!!!」
「そそそそそそそうだよ!!ききき気のせいだよ!!」
アマさんは二人を見てニヤリと笑う。
「そうだ!!ルカ。三人を肉屋と魚屋に紹介するんだろう?今なら二人が店番いるから連れて行けばいいよ。」
(うん??なんでそんなけしかけるようなことを言うのだろう?珍しい・・。)
「そうね!!では。三人とも行きましょう。」
と言っても隣だけど。
「え?」
マリさんが驚いてる。
グラドくんにとっては二の句が告げない感じで口をぽかんと開けてる。
「ど・・どうして。」
「おお!!ルカちゃんじゃないか!!」
「こんにちは。エドさん!さっきアマさんのところに行ってきたところなの。
今度ね友達が引っ越してきたから美味しいお肉屋さんを紹介しようと思って。」
「おお!!そうなのか!!それは嬉しいなあ・・。」
エドさんもマリさんとグラドくんを見てニヤリと笑う。
「ねえ・・本当。二人ともさっきからどうしたの??」
あゆむくんは二人を見て心配そうな声をあげる。
「そうだ!ルカちゃん魚屋さんにも紹介するんだろう?
ミカが店番に立ってるぞ!」
「それ。さっきアマさんから聞いたの。今日の夜ご飯はお魚に決まりね。」
「ははは・・ルカちゃんは正直だなあ。」
「だって。ミカさんがお店にいる時って美味しい魔魚が出てきてる時だもん。
この前騙されて食べて以来、虜になってしまったのよね。」
「分かるわ!ミカが獲ってくる魔魚美味しいもんな。俺も今日はミカのところで買ってくるか。」
「そういえば、アマさんが教えてくれたレシピで作った魔魚の料理美味しかったから。ミカさんのところ行くならアマさんのところに行ってよ。」
私の言葉にエドさんが大きな笑いをあげた。
「ルカちゃんのそういう物おじしないところ好きだわ。よっしゃ。ミカのところで買ったら、アマのところ行くわ!」
「そうして!アマさんのレシピ本当に美味しかったから。」
マリさんとグラドくんはさっきからというアマさんとあってから二人でこそこそ小さい声で話してる。
「じゃあ最後はお魚屋さんね。今日はミカさんがいるからよかったー。」
「あ・・あのう。ルカさんはそのう・・先ほどの八百屋さんのアマさんや
お肉屋さんのエドさんと仲良いようですが・・。そのう・・お二人の過去とか聞いていたりするのですか??」
マリさんが意を決した表情で私に聞いてくる。
「過去??うんと・・。聞いたことないなあ・・。ただ。あれよね。アマさんは
八百屋の店主には見えないわよね?所作が時々美しいなあと思う時があるから、昔はいい暮らしをしていたのかな?って推測はできるけど。エドさんはあの太い腕を見たらまんまお肉屋さんの主人よね。そうだ!エドさんって魔物のお肉も売ってるんだけど、その魔物のお肉エドさん自身が狩ってくるんですって!すごいわよねえ・・。」
「ルカさんの人を見る目ってどうやって養ったのですか??」
今度はグラドくんが聞いてくる。
「人をみる目??うーん。あるのかな??自分では気づかないけど。でも人をよく見ることは小さい頃からの習慣かな?人をよく見ないとダメな生活を小さい頃からしていたから、人を見る目が養ったのってそう言うのが起因してるかもしれないわね。」
(本当。普通にネグレストしていた両親の元に育ったら、人を見るめが養われるわよ。)
二人はなるほどって言う顔をしてるけど、あゆむくんは何か言いたそうに二人を見てる。
あゆむくんは気を使いすぎな部分があるかしら?
袖擦り合うも他生の縁って言うじゃない。私に関して言えばそんなに気を使わなくてもいいのに。
と言っても知り合って、まだ時間が少ないから相手に気を遣う気持ちもわからないわけでもないわね。
そんなことを思っていたら、お魚屋さんにミカさんが立っていた。
「おや!ルカちゃん。久しぶりだねえ・・。」
今度はあゆむくんもミカさんのことを見て驚いてる。
そりゃあ驚くわよね。だってミカさん見た目が完璧にエルフだもん。
「ミカさん!久しぶりー。ミカさんが魔魚を獲ってきたと聞いたから、今日の晩御飯はお魚にしたの!」
「それは嬉しいなあ・・。ここら辺が魔魚の切り身だね。」
「あ!この緑色の切り身。この前騙されて食べたのだ!美味しかったのよ。」
「そう言えば、この前買っていたねえ・・。今日はこの虹色の切り身のお魚が
おすすめだよ。この切り身だと、肉と野菜で煮込むともっと味が広がって美味しいんだよ。是非ともエドとアマのところで肉と野菜を買っていってほしいなあ。」
「ふふふ・・・。結果的にいつもミカさんには敵わないのよねえ。
了解!このお魚買って、エドさんとアマさんのところに行くわ!」
「毎度ありー!!そうだ。この子達ルカちゃんの友達だよね?紹介してくれたから、この前買った魔魚の切り身もおまけするよ!」
「え?いいの!!嬉しい。リーノさんも好きなのよ!」
「この前ね。この緑の切り身をフライにしたの。そうしたらおいしくって・・。」
5分くらい立ち話をしてからまたくるわねとお店を出た。
古着屋さんにいって食料品関係のお店を回ったらもう夕方の時間帯になっていたみたい。
「あら?今日は一旦帰りましょうか・・。三人とも疲れているみたいだけど大丈夫??」
「え・・と。私は最後のミカさんを見て、ああ異世界に来たんだなって実感したっていうか・・。やっと実感したと言うタイムラグで疲れてるだけで。この二人はなんか別のところで疲れてるみたいですね。」
あゆむくんの正直な反応に笑ってしまう。
「じゃあ。今日は一旦帰りましょう。このお魚でご飯作るから一緒に夕ご飯食べましょ?」
「え?いいんですか??」
「もちろん!と言ってもお料理そこまで上手ではないんだけどね。」
私は舌をぺろっと出して戯ける。
あゆむくんたちはくすくす笑っていやいや十分美味しいですってお世辞を言う。
お世辞でも美味しいと言ってくれるのは嬉しいな!
いよーし!今日も張り切って作っちゃうぞ!!
こうして私たちは家路についた。
マリさんとグラドくんが三人を見て何に驚いたかは気になるけど、三人とも紹介したお店が気に入ったみたいでよかった。
異世界転移した私のスキルはショッピングでしたのでショッピングで無双します! K0壱 @honobonotoao
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界転移した私のスキルはショッピングでしたのでショッピングで無双します!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます