第13話予想外という言葉が私にとって予想外です。
コレクション開放したら、どういうわけか地球の部屋と繋がってしまいました。
「とりあえず、みんな席に着いて待ってて。私お茶淹れてくるから。」
「瑠花お嬢様。私がお茶を淹れます。」
「いいから座ってて。この台所は私がここに住むようになって、少しずつ使いやすくさせてるんだから・・。」
私は直人を座らせて、お茶の準備をする。
あ!そうだ大事なことを言うの忘れてた。
「ねえ・・。直人。あなたは本当に悪くないし、あなたはあっちにいる間ずっと守ってくれていたわよね?お祖父様の命令でしょ?ずっと守ってくれてありがとう。私こっちの世界にいきなり連れてこられて、一体どうしようか?と思っていた時に、こちらのリーノさん。カメリーノさんに拾ってもらって、色々と世話してくれて、私が買い物していたりしてる時に、付かず離れずの絶妙な距離感で
私のことを守ってくれてね。その時に気がついたのよ。あなたがいつも私のことを守ってくれていたんだな・・って。本当にありがとう。」
「瑠花お嬢様からそう言っていただけるとは・・・。そしてリーノ様。瑠花様をお守りくださってありがとうございます。」
直人はリーノさんに頭を下げる。
「あ!直人。ここは頭を下げる文化がないから頭を下げなくていいのよ。
その代わり握手した方がいいわ。」
「そうでしたか・・。では改めまして、リーノ様。よろしくお願いします。」
「こちらこそ。よろしくお願いします。」
リーノさんと直人が固い握手をしたのを見て、塁ちゃんに私は謝った。
「え?何を謝るのよ。」
「だって・・私隠し事していた。」
「え?そんなこと。いいわよ。気にしていないって言えば少し嘘になるけれど、そんなことをいちいち気にする仲じゃ無いじゃない。」
「ありがとう塁ちゃん。」
「私直人のこと応援してるからね。」
私は嬉しくって塁ちゃんにハグする。
そしてコソッと耳元で囁いた。
「うん。お願い。」
「任せて。」
「あーーずるーーい。瑠花センパーイ私もハグしてください!」
「私もハグしたい!」
「俺もハグしたいっす。」
「こら。大地くん。どさくさに紛れて瑠花さんにハグしないで!」
みゆきちゃんが大地くんの頭を引っ叩く。
いつものやり取りに私は笑ってしまった。
リーノさんと直人はさっきからずっと喋っているし、仲が打ち解けたみたい。
そして私はずっと黙ってる孝之くんのことを見る。
「孝之のことは放っておいて大丈夫ですよ。瑠花センパイ。あれですよあれ。
自分でなんも行動起こさなかったのに、自分が思っているところと違っていて不貞腐れてるっていう・・控えめに言ってヘタレなんで。気にする必要なんてないです。」
「美恵ちゃんって。本当孝之君のことになると扱い雑になるよね??」
「あぁ・・。だってヘタレに優しくしてもなんも意味ないですよ。ヘタレはどこまで行ってもヘタレですもん。」
「なんつーか。色々と予想外すぎて情報量が頭の中パンク寸前なのに、どうしてお前らってこんなに適応してるの??」
お?ここにきて初めての言葉があまりにも的確で私驚いちゃうよ。
「だよねぇ・・・。予想外という言葉が私にとって予想外だもん。」
私の言葉に孝之くんはなぜか慌てふためく。うん?慌てふためくような言葉私言ったかな??
「あ・・・。いや。その・・・。瑠花先輩に会えたのは俺すごく嬉しいんです!!」
「孝之さん。ダメっすよ。今何を言っても、今は自分で墓穴を掘ってその墓穴に落ちてさらに落ちた先でのたうち回ることになるっすよ。」
「うっっ・・・。」
その様子を見ていた美恵ちゃんがすごく生ぬるい目線で孝之くんを見てるし。
なぜか直人まで同じような目線で見てる。
塁ちゃんは何かを堪えてそうで肩を震わせてるし・・。
みゆきちゃんはみゆきちゃんでため息をついてる。
リーノさんには直人さんが耳打ちをして、リーノさんはうなづいて少しだけ悪い笑みを浮かべてる。
私はこの空気がなぜかむず痒くなって声を上げてしまった。
「あ!みんな夕ご飯どうする??食べていく??リーノさん。私買い物に行ってきますね。」
「わかりました。俺も行きましょう。」
「え?私一人で大丈夫ですよ?」
「ええ・・ですが俺が行きたいんですよ。」
「そうですか?えっと・・みんな待っていてね。買ってくるから・・。」
私が玄関に手を向けた時、リーノさんが何かを言いかけたけどなんだろう?
「私たちのことは気にしないでいいわよ。いつもの生活をしてその方が落ち着くでしょ?リーノさん。お疲れ様です。」
「うん。ありがとう塁ちゃん。」
「「「「「「言ってらっしゃーい」」」」」」
私はリーノさんと一緒に夕飯の買い物に出かけることになった。
みんなに出会えたのが嬉しくって今日は張り切っちゃおう!!
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