第6話初めての夕ご飯と地図が危ない理由と新しいスキル。
「リーノさん。何もかも持ってくださってありがとうございます。」
「いいえ。これくらいは大したことないですよ。」
「うふふ・・。今から夕ご飯の準備をしますね。」
結構な重量だと思うんだけど、大したことないっていうのは男性と女性の筋力の差というのがあるのかな??
いや。女性も男性並みの筋力持っている人もいるから、一概に言えないか。
私はリーノさんに座ってもらって、食事の用意をする。
何があるのかとキッチンの棚にある調味料のところを開けていく。
あれ?この茶色いのって・・。
匂いを嗅いでみる。味噌だ!!お味噌があるの??
あれ??この黒いサラサラとした液体って・・。
匂いを嗅いでみる。醤油だ!!醤油もあるの??
じゃあこのドロドロっとした黒い液体ってソース?
一口舐めてみた。うわあ濃厚なソース!!美味しい・・。
お味噌もあってお醤油もある。それに胡椒もあるし、塩もお砂糖もソースもある・・。
え??私。もしかしていい人に拾われたんじゃない??
「あのう・・。胡椒ってここの街では庶民も食べられるんですか??」
「いいえ。庶民は高すぎて無理ですねぇ・・。」
ほうほう・・・。
「では、お塩とかお砂糖とかは・・?」
「うーん。塩は国所有の岩塩の山脈があるので、手に入りやすいですがお砂糖は輸入品でまだまだ手に入りにくいですねぇ・・。」
ほうほう・・・塩は手に入りやすいんだ。お砂糖は頑張れば手に入る?って感じかな??
「では、お味噌やお醤油や濃厚ソースは・・。」
あ!リーノさん首を傾げてる。何それ??っていう顔で見てる・・。
うん??私今確信した!!この調味料って元カノの置き土産じゃない??
「リーノさん。この調味料って・・。」
「ああ・これらですか??たまに乳母が来て、料理をしてくれるんです。そしてなぜか僕が気に入った調味料を置いていくんです。」
元カノじゃないんだ・・・。あれ?なんで私ホッとしてるんだろう??
それにしても色々と貴族だと情報ダダ漏れしてるけど、私はそれをスルーする。
余計な詮索はしないほうがいいからね。
私は彼女がいないということに心が浮き上がってくる気持ちを押し込んで、料理を開始した。
買ってきた材料と、傷みが入ってきてる冷蔵庫の中のものを全部使ってしまった。
お味噌と生姜を使って生姜焼きを作って、調味料を適当に使って作った醤油ベースの焼肉のたれで、牛肉を味付けする。
あとは買ってきた野菜と、傷んでる野菜を使ってスープにした。
本当はお米で食べたいけど、お米はないから置いてあったパンを焼いた。
それに傷みかかってる果物を見つけた。あとでこれはジャムにしよう。
でもなあ・・。お醤油もお味噌もあるからお米もあると思うんだよなあ・・。
私は料理をお皿に盛り付けて、テーブルに持っていく。
「うわあ・・・美味しいそうですねえ・・。このお肉はボークのお肉でこちらのお肉はピッフのですね!!両方好きなやつです。」
ふむふむ。豚肉はボークで、牛肉はピッフっていうのね。
「好物で良かったです。お野菜はスープにしました。」
野菜を見て顔を少し顰めたね。
「お野菜は・・」
「お肉とお野菜バランスよく食べるのが良いので、このスープも食べましょうね。」
「・・・はい。」
とりあえず。この野菜スープを食べてみてほしいなあ・・。
リーノさんは先にスープを食べ始める。
うん。嫌いなものから食べるタイプね。
「あれ・・??美味しい!!ルカさん。この野菜スープならお野菜食べられます!!うわあ・・。ダーコンとキャロッテってこんなに美味しいんだ。ポッテは美味しいのはわかっていたけど、このスープのポッテ美味しい。」
大根はダーコンで、人参はキャロッテ、ジャガイモはポッテっていうのね。
「ふう〜。美味しかった。そうだ先ほどの地図を見せてもらっていいですか??」
うふふ・・リーノさんの満足そうな顔。それをみられただけで、ご飯作った甲斐があったわ。
私はスマホを取り出して、ショッピングスキルアプリを開いて地図をリーノさん見せる。
「やっぱり・・。この地図は危ないです。そもそもこちらでは地図は防衛の要で、国家機密ものなんです。それなのにこの地図は国が持ってる地図よりも精密で・・。この地図が渡ったら要塞が他の国に簡単に攻められますね・・。」
はあ〜とため息をつきながら、このスマホの地図の危険性について話してくれる。
「そうなんですね・・。どうしよう。スマホと私のスキルは連動してるし・・。」
「そうですねえ・・。どうしましょう・・。」
二人でうんうん唸っている時、携帯がブルルルって反応した。
「なんだろう??」
私はスマホを見たら、着信に『ショッキングスキルアプリの特別ボーナス。アプリを開いてください。』
なんだろう・・。私はアプリを開く。
『特別ボーナス。スマホをアクセサリーにできます。ネックレスとバングルどちらか選べます。どちらにしますか??』
何?このアプリ??うちらの会話を聞いていてもしかしてこのようなボーナスを与えてくれたの??
「え・・と。なんかよくわからないのですが、このスマホネックレスにできるみたいです・・。」
「え??どういうことですか??」
リーノさんがすごく戸惑ってる。
そうだよね。私も戸惑ってるもの。
「とりあえず、ネックレスを選択と・・。」
スマホは光って、四角いペンダント(多分スマホが四角いから四角の形)がついたネックレスになった。
『このネックレスはあなたの元を離れません。写真撮りたい時、写真投稿型SNS
動画投稿型SNSに投稿を上げたい場合は心で念じていれば、自動的に投稿できます。』
うわあ・・ショッピングスキルアプリが万能すぎる・・。
『なおスマホをいじりたいときはスマホに戻れと念じればスマホに戻れます。』
アシスト付きなのね・・・。私のショッピングスキルがチートすぎるのだけど・
・・。
私は、写真投稿とか動画投稿とかの件は隠して、リーノさんに話した。
リーノさんは若干呆れていそうだったけど、すぐに笑顔になって、ネックレスなら
安心ですね。スキルが使えて良かったですね。って言ってくれたの。
もうもうもう!!出会ってここまで、この人のいい人っぷりを見せつけられて、私本当に捨てる神ありなら拾う神ありという言葉を実感した。
自分が何ができるかわからないけど、恩返しは何年かかってもいいからしていきたいと強く思った。
『写真撮影をしました。ボーナスポイント5000入ります。』
え?私今のリーノさんの写真撮ってしまったの??
『初めての異世界の写真撮影。おめでとうございます。特別ボーナスとして
ポイント投資を開始しますか??』
もう・・このスキル凄すぎて私の頭の理解を超えてしまっているわね。
せっかくタダでもらったポイント。有効活用しなくっちゃ。へそくりはいくらあってもいいものね。
『ポイント投資開始。特別ボーナスとしてただいま10万ポイントをプレゼント中。こちらの10万ポイントをポイント投資しますか?』
もちろん、投資しますよ。
『ポイント投資利用ありがとうございます。これから一年後の複利をお楽しみください。』
私。異世界で不労所得できてしまうのかしら??
ちょっと怖いから働きたいって思うのは私が貧乏性だからかな??
若干の一抹の不安を残しつつも、とりあえず当分お金には困らないっていうことはいいことよね。このポイント投資は自分のへそくりとして、とりあえずは街中でできるお仕事を探して、この街で少しでも早く生活できるようにしましょう。
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