第29話 クリスマスプレゼント

「ふぅ、美味しかった。」


「ふふ、本当にあっという間に食べちゃいいましたね」


 最初は全部食べ切れるか少々不安だったが全ての料理が絶品で気づいたら全部食べ切っていた。


 やっぱり瀬戸さんの料理は最高だな。


「どれも本当においしかったよ。こんなに楽しいクリスマスは初めてだ」


「私も月城くんと談笑できてとても楽しかったですよ」


 彼女はとても幸せそうに微笑んでくれた。


 その表情を見れただけでこのクリスマスは俺にとって最高のクリスマスになった。


 だがまだ終わりではない、俺にはまだすべきことが残っている。


 俺は用意したおいたプレゼントを瀬戸さんに差し出した。


「瀬戸さん、メリークリスマス。プレゼントだよ。」


「よ、用意してくれたんですか!? ありがとうございます!」


「開けてみて」


「はい、では……これはマフラーですか?」


「うん、瀬戸さんに似合うかなと思ってね」


 俺が選んだのはベージュ色のマフラー。店員さんに聞いたりして結構な時間悩んだ果てに購入したものだ。


 今回は清華さんの手も借りずに自分で選んだから少々不安だったが……どうやら大丈夫みたいだな。


 マフラーを見つめる彼女の瞳はキラキラと輝いていた。


「すごく可愛いです、ありがとうございます。大切にしますね」


「それはよかった。」


「では私からも」


 そういうと彼女はカバンの中からプレゼントとサンタ帽を取り出して被った。


「月城くん?」


「……あ、ああごめんちょっと」


 サンタ帽を被った瀬戸さんが可愛すぎてついつい見惚れてしまった。

 

 美少女×サンタ帽はやばすぎるな


「これ、いいですよね。気になって買っちゃいました。似合ってますか?」


「うん、すごく似合ってるよ」


 むしろ似合いすぎているくらいだ。


「いい子の月城くんにサンタさんからプレゼントです」


「ずいぶんと可愛らしいサンタだね」


「……月城くん悪い子です」


 彼女の頬が少し朱色に染まった。


「冗談、ありがとう瀬戸さん。……開けてもいい?」


「はい、開けてみてください」


 まさか彼女もプレゼントを用意してくれていたとは……


 俺は少し嬉しい気持ちになりながらプレゼントの箱を開けた。


「……これはネックウォーマーかな?」


「はい、月城くんに似合いそうなの選んでおきました」


 箱の中に入っていたのは紺色のネックウォーマーでモコモコしていてとても暖かそうだ。


 あとこのブランドすごく高かった気がするが……まぁそこは気にしないようにしよう。

 

「ありがとう、すごく嬉しいよ」


「ふふ、それはよかったです」


「それにしても瀬戸さんそれすごく似合ってるね」


「むぅ、今月城くん子供っぽいって思いませんでした?」


「い、いや……思ってないよ」


「絶対思ってるじゃないですか! なら月城くんもこれつけてください!」


 瀬戸さんがそう言って差し出してきたのはトナカイの角が生えたカチューシャだった。


 これは……男がつけるのはどうなんだ?


「えいっ!」


 そうおもっていると瀬戸さんにつけられてしまった。


「似合ってますよ、月城くん。」


「ちょっとこれは恥ずかしいというか……」


「それ今日はずっとつけててください」


「わ、わかったよ」


 まぁ彼女も嬉しそうだしいいか。


「さ、お互いにプレゼント交換したことですし。クリスマスケーキ食べましょう。」


「俺コーヒー淹れるよ」


「ふふ、じゃあお願いします。トナカイさん」


「畏まりました、サンタさん」


 そんな風な会話をしながら俺たちはクリスマスを楽しんだ。











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