第26話 聖女様のマッサージ
「やばい、筋肉痛かも」
夕飯を終えた俺は今日のトレーニングの証、筋肉痛に悩まされていた。
まさかこんなにも早くくるとは……みくびっていた。
今日酷使した筋肉が悲鳴を上げるようにじんと痛む。
「どうしたんですか? 月城くん、そんな難しそうな顔して」
瀬戸さんが不思議そうに訪ねてくる。
「い、いや、なんでもないよ」
「……本当ですか?」
「本当……だよ……」
「……」
完全に疑われているがこれ以上彼女に心配をかけさせないためにも黙っておこう。
すると瀬戸さんは急に顔を近づけ俺の目をまっすぐ見つめる。
彼女の体温が感じられる距離まで近づかれ俺の鼓動が高なる。
「……月城くん、嘘はいけませんよ。」
「嘘じゃないし……」
「月城くん」
「……ごめん、実は筋肉痛がきつくて」
「よく言えましたね、偉いです。」
まるで子供の頭を撫でるかのように俺の頭を撫でる。
子供扱いされて悔しいような……褒められて嬉しいような……
「確かにそれは辛そうですね、どこら辺が痛みます?」
「腕と足かな。そこを主に鍛えたから」
「なるほど……わかりました」
すると彼女はカーペットの上を少し整え、その上にブランケットを敷いた。
「さ、月城くん。ここにうつ伏せになってください。」
「う、うつ伏せ? まさかマッサージしてくれるの!?」
「はい、疲れた体にはこれが一番です」
「さ、流石に悪いよ、料理も作ってもらった上にマッサージなんて……」
これ以上彼女を頼るわけにはいかない。
だが彼女も譲る気はないのかブランケットをポンポンと叩く。
「いえ、私は別に苦ではありませんよ。ほら、私の言葉に甘えて。」
「で、でも……」
「さぁ、ここへ」
「……じゃ、じゃあお願いしてもいい?」
「はい、任せてください!」
俺は彼女の押しに負けブランケットの上にうつぶせになる。
なんかすごく緊張する……
「じゃあ、始めますね。」
そう言って彼女は俺の肩を揉み出した。
彼女のマッサージは思っていた以上に気持ちよく、俺は至高の気分だった。
「力加減とかどうですか?」
「すごく……すごくいいよ……」
「ふふ、よかった。」
うつ伏せで見えないが彼女が微笑んでいるのが確かにわかった。
さて、今までマッサージに集中して気づいていないフリをしていたが……もう限界かもしれない。
「結構凝ってますね、んー!」
彼女が力を入れる度に大きいものが揺れる感覚。
そして彼女が力を入れ少し浮く度に触れる柔らかいお尻の感覚。
正直もうかなりきつい……だがこのマッサージが終わるまで耐えねば! 頑張れ、俺の理性!
「本当に硬いですね……」
「まぁ、これでも一様男だからね。そりゃ硬いよ」
「ふふ、そういえばそうでしたね。」
「男だもん」
「冗談ですよ、そんなに拗ねないでくだ
さい。」
そう言ってなぜか手が止まった。
「どうしーー」
その時俺の耳元に瀬戸さんが顔を近づけて囁いた。
『ちゃんと月城くんも男の子ですもんね?』
「っ!?」
全身がビクリと震え俺の理性が危うく限界を迎えるところだった。
聖女様の耳元囁きは攻撃力がたかすぎる!
「ふふ、やっぱり月城くんは本当に可愛いですね。ビクッとしちゃって」
「い、いきなりはずるいよ……」
「いきなりじゃなきゃ月城くんの可愛い反応が見れないじゃないですか」
この人は本当に無自覚すぎる……普通こんな美人に耳元で囁かれて耐えられる奴はいない。
「さ、続けましょうか。月城くん」
「まだやるの?」
「当然です、肩の続きから」
「か、肩! それはちょっと……」
またあの揺れる感覚とお尻の感覚をされたらちょっときつい
「何言ってるんですか、まだまだ終わってませんよ」
「わ、わかった。耐える。」
「? では始めますね」
その後1時間くらい続いたがギリギリのところでなんとか耐えた。
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