第24話 トレーニング
翌日早速俺はジムに来ていた。
「結構色んな人がいるなー」
男女で仲良く運動している人、会社帰りの人、全身の筋肉がすごいボディービルダーのような人など思っていたらより幅広い層の人たちが来ているようだ。
そしてトレーニング器具の種類も多種多様で見たことあるものから用途がわからないものまで様々な物がある。
(どれから行こうか……まずはあれにするか。)
まず俺が目につけたのはテレビやアニメなどでよく見るベンチプレスというもの。台に寝転がりバーベルを持ち上げるものだ。
俺はとりあえずバーベルの両端に10キロずつ、合計40キロの重りを乗せて台に寝転がった。
「よし、ふん!」
バーベルを支えから外すといきなり両腕にずっしりとした重さがやって来た。
こ、これは……結構きついかも……!
俺はなんとかバーベルを上までまた上げるがもう俺の腕はかなり限界だった。
やばいもう持ち上がらない!
その時誰かがバーベルを上に持ち上げた。
「大丈夫かい、初心者がいきなり補助なしでその重量は危ないよ?」
上を向くとそこにはダンディな顔つきの筋肉質な男の人がいた。
「あ、ありがとうございます」
「いいよ、いいよ、初めての人はよくやるからさ。君、名前は?」
「悠真です。」
「悠真か、いい名前だ。私の名前は和馬だよろしく。」
和馬さんが差し出した手を握り深い握手を交わす。
本当にかっこいい人だな、顔もいいし体もムキムキじゃないか
ピッタリと張り付いたスポーツウェアの上からでもくっきりとシックスパックが見えていた。
「和馬さんはここの常連なんですか?」
「まぁね、仕事帰りに寄るのがちょうどよくて仕事が忙しい時以外は毎日来ているよ。」
プロのスポーツ選手か何かと思ったがこれで社会人なのか、意外だな。
「社会人なのにすごいですね、こんなに鍛えられているなんて」
「ま、これくらいしないと体が鈍っちゃうからね。悠真くんはどうしてジムへ?」
「ちょっと体を鍛えたて自分を変えたいなと思いまして」
流石に本当の理由を他人に言うのは少し恥ずかしかった。
「はは、確かに君は少し細いね。男の子ならもう少し筋肉をつけたほうがいいぞ?」
この人にも瀬戸さんと同じことを言われるとは……。
俺が少しショックを受けていると和馬さんが俺の肩バシバシと叩いた。
「なーに気にすることはないよ、これからつけていけばいい。そうすれば君はきっとかっこよくなる。」
「……なれますかね?」
「ああ、なれるさ。地道に努力をしていけばね。どれ、私が補助に入ってあげるから今度はもう少し重さを増やしてみようか」
和馬さんはバーベルに5キロずつの重りを追加していく。これで合計50キロ。
「50キロですか!?」
「大丈夫危なくなったら私が持ち上げるから。それにかっこよくなりいんだろう?」
そうだ、俺は弱いままじゃダメなんだ。もっと強くならなければ
俺は再び寝転ぶとバーベルに力を入れて持ち上げる。
すると和馬さんの補助もあってか先ほどより上へ持ち上げられた。
「いいね、私も若い頃は夢中になって鍛えたものだ。さ、まだまだいこう!」
「はい!」
こうしてなぜかダンディなおじさん、和馬さんと知り合いになった。
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