第4話 この世は地獄か極楽か
その頃、救急車に同乗してきた
身元を確認したい看護師は、名前や住所、職業など、極めて一般的なことを尋ねてみたものの「おならくーさい!」「びわほうし!!」「もはや
関係性を尋ねられたとき、峰本は戸惑いながら「コミケで発見しただけで…」と答えようとしたその時であった。看護師が間違えて峰本を「みなもとさん」と呼んだことで、尾奈良は峰本を将軍の血縁者だと一瞬で思い込んだ。
「そこに将軍様がおられるのか?」と尾奈良がたずねると、峰本は
「違います、自分はみねもとまさともです」と名乗ったが、これがどうも悪手だったらしい。尾奈良は聞き間違えることが多いようで、峰本を源実朝と誤認した。
「将軍様!まさかあなた様までもこの地獄にいらっしゃるとは…」と畳みかけてくる尾奈良、笑う看護師…自然発生的なこのコントに峰本は確信した。
峰本は尾奈良に
「そなた、名は何と申す?」と尋ねると、尾奈良は「おならくーさいと申します」と答えた。非人工的なボケを見た峰本は、将軍と琵琶法師でコンビを組むことを思いついた。
これまで鳴かず飛ばずの芸人で、駆け出しyoutuberの自分にとって、またとない好機なのでは?このままうだつが上がらない人生を続けたくない。そのためにも、ここで尾奈良と別れるわけにはいかない…彼は逸材だ。この人生、尾奈良に賭けてみようではないか。
そう決意した峰本は、ソーシャルワーカーと共に尾奈良の退院後の生活と深く関わっていくことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます