第1話 初めてのエッチ
「いいんだな。本当に」
「うん、それでゆうちゃんが頑張れるなら……と言うか、私も初めてはゆうちゃんがいい」
外の気温が余りに高く、エアコンもロクに効いていない俺の部屋のベッドの上で、幼なじみの
灯の舌が口の中に入ってきたと思ったら、思い切り後ろに押し倒された。チアリーダーなんかやってるせいか、小柄な割に妙に力がある。俺は口づけを終え、彼女の大きな胸に顔をうずめるようにしながら背中に手をまわす。
「あっ……」
灯の反応がなんとも可愛らしい。
「うわ、こんなになるんだ。昔いっしょにお風呂入ったり、お医者さんごっこしてたんで見慣れていたつもりだけど……こんなのほんとに入るのかな……」
「多分……大丈夫だと思う。ゆっくり気持ち良くなると結構広がるって聞いたことがある」
「……広がる? もう、馬鹿っ!」
じゃれ合いながら確認すると、もう彼女の受け入れ準備も大丈夫そうだ。
そして……
「いたっ!」
「あっ、すまん。痛かったか?」
「ううん、大丈夫……でも今、ゆうちゃんが入っているんだよね。なんか不思議な感じ」
「ああ、俺もだ」
「うん……」
俺には、こうして二人が一体になっている感覚がなんとも幸せで心地よいのだが、今日はお互いに初めてだし、これ以上、無理に続けなくてもいいだろうと思った。
二人は、そのまましばらくベッドの上で、会話もなくボーっとしていたが、やがて灯が「シーツ、私ん家でこっそり洗ってくるね」といいながら身支度をし、隣にある自分の家に戻っていった。
こうして、十七歳の夏休みのとある日。俺と
◇◇◇
俺、
そんな状況なので、お風呂は
聞けば、チア部の周りの子たちが続々大人の仲間入りをしているそうで、すでに俺と
とにかく、俺自身はちゃんと責任取る覚悟が出来ているので、据え膳喰わぬは……というわけではないが、この度めでたく童貞卒業した。まあ、だからといって、今後もあまり調子にのって、あまりはめをはずすつもりはないのだが……。
◇◇◇
「あー、ゆうくん。こんにちはー」
余りに暑いので図書館で受験勉強してきた帰りの、とある八月の夕方、家の前で灯のお母さん、
「ねえねえ、ゆうくん。最近、
うっ、するどいな。でも、親に隠れた交際をする気はさらさら無いので、ヤッちゃったことはボカしながらこう宣言した。
「
その時だった。
「えっ、あっ、おばさん。一体どうしたんですか?」
「ううん、ごめんね。あんまりにうれしくて……あの子、小さい時からお父さん無しで、私も仕事に懸命であんまりかまってあげられてなくって寂しい思いさせ続けていて、それでもあんなに快活で明るい子に育ってくれて、ほんとに君とご両親達には感謝してるんだけど、あの子にはやっぱり将来も本当に幸せになってほしくて……だからゆうくんみたいなしっかりした人がお嫁にもらってくれたら、私も安心して成仏できるだろうなーっていっつも思ってて……」と泣き声を殺しながら、わらわらと心情を説明してくれた。
「そんな、成仏とか縁起でもない。でも、お気持ちありがとうございます。ちゃんと
「うんうん、大丈夫だよ。私もあの子産んだの十九の時だし。今時の高校生なら、多少暴走してもそんなに悪目立ちしないって!」
「いや。はあ……そんなものでしょうか」
そう言いながら、その場は
そしてその夜、
「お母さんにちゃんと説明してくれたんだ。ありがと! これで親公認だし、またエッチしようね♡」
いやいや……でもまんざらでもないか。
仕方ない。自分の両親にもちゃんと宣言しておくか。
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