3話目

僕は聞いてみた。

「ねえ、もしこの部屋で眠ったら僕はどうなるの?」

双子は顔を見合わせたあと、どちらかが言った。

「わかりません。眠ってみますか?」

僕はどっちにするとも言えなかった。

あいまいにしたまま、ベッドにあお向けになった瞬間、飛び起きた。

痛い。背中で、何かを押しつぶしてしまった。

まるで骨のような硬さの…

でもベッドの上には何もない。シーツを撫でても、ごつごつしていない。

「僕、背中に何かついてる?」

双子が答えた。

「羽根です」

「羽根です」

「僕の背中に羽根が生えてるの?」

「はい」

僕は背中に手をまわしてみた。

ふさふさした毛の感触がする。羽根の根元まで触れてみたいが、体が硬くて手が届かない。

「僕は飛べるの?」

「今なら」「今なら」


                      4話目に続く




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る