第44話 彼女との過ごす時間(とき)
「あの、よろしければ私がお選びしましょうか?」
そう言ったのはリリアンさん本人だった。
私は喜んでお願いすることにしたのである。
選ばれたのは、リリアンさんの方だった。
理由は単純に私が選んだ方よりも反応速度が早かったからである。
何より私のことを一番理解してくれているという点が大きいだろう。
訳で、今後はリリアンさんをリリアンさんと呼ぶことに決めたのである。
それからというもの、私は毎日楽しく過ごすことができるようになっていた。
リリアンさんとの生活に不満があるわけではないのだけれど、
やっぱり自分同士で会話できるというのは嬉しいものだ。
特に、彼女とは気が合うこともあって一緒にいるだけで楽しい気分になれるのだ。
「愛羅様、今日は何をなさいますか?」
彼女の問いかけに私は迷わず答えた。
「そうね、久しぶりに二人で散歩でもしようかと思っているんだけどどうかな?」
それを聞いたリリアンさんは嬉しそうな表情を浮かべながら頷いてくれた。
そんなやり取りの後、私達は一緒に出かけることになった。
目的地は特に決めていなかったけれど、のんびりと歩きながら景色を楽しむだけでも十分に楽しめたと思う。
途中で休憩したり、他愛もない話をしたりしているうちにあっという間に時間が過ぎていった。
気がつけば夕方になっていたのでそろそろ帰ろうかと思ったところでふと思いついたことがあったので提案してみることにした。
「ねえ、せっかくだからこのまま一緒に寝ちゃわない?」
それに対してリリアンさんは少し戸惑った様子を見せたものの、
「わかりました、いいですよ」
と言って了承してくれたので遠慮なく甘えることにしたのだった。
そうして眠りについたわけだが、翌朝目を覚ますと隣にいたのはリリアンさんだったはずだった。
そこにいたのはもう一人のリリアンさんだったのだ。
一体どういうことなのかわからず困惑していると、彼女は微笑みながら言った。
「おはようございます、愛羅様」
それを聞いて確信した。
目の前にいる人物は間違いなくリリアンさんなのだ。
だが、そうなると昨夜まで一緒にいたリリアンさんはどこに行ってしまったのだろう?
そんなことを考えているうちに再び眠気に襲われてしまい、二度寝することになってしまったのだった。
次に目が覚めた時にはいつも通りの光景が広がっておりホッと胸を撫で下ろしたのだが、一つだけ違う点があったのだ。
「おはようございます、愛羅様」
そんな声と共に現れたのはもう一人のリリアンさんだったのだ!
驚いて飛び起きると、そこにはもう一人のリリアンさんの姿があった。
しかも裸である……!?
慌てて視線を逸らすと、もう一人現れたのである。
また一人、また一人と増えていく始末であり、気づけば十数人のリリアンさんが私を囲んでいたのだ。
もはや収拾がつかない状況に陥ってしまっていたのである。
そんな中、一人のリリアンさんが私に抱きついてきたかと思うと耳元で囁いたのだ。
『これからはずっと一緒ですよ』
その言葉を聞いた瞬間、背筋が凍りつくような感覚に襲われたもののどうすることもできなかったのである。
私は完全に逃げ場を失ってしまったのだった。
その後どうなったかというと、彼女たちは私の体に絡みつくようにしてくっついてくるようになったのだ。
おかげで身動きが取れなくなり、毎日が大変なことになってしまったが、
それでも彼女と一緒ならば耐えられると思ったのである。
それに、何よりも私自身も彼女のことが好きになっていたのだから断る理由なんてあるはずもなかっただろう。
むしろこの状況を喜んでさえいたのだから、私も大概どうかしていたのかもしれないな……と今では思うようになっていたりするのである。
もちろん他のリリアンさんに対しても同じようなことをしているということは言うまでもないことであるが、
まあ細かいことは気にしない方がいいだろうということで話はまとまったのであった。
「愛羅様、今日は何をなさいますか?」
そう聞いてくるのはリリアンさんだ。
私は迷わず答えた。
「そうね、久しぶりに二人で散歩でもしようかと思っているんだけどどうかな?」
それを聞いた彼女は嬉しそうに頷いてくれたので早速出かけることにしたのだった。
目的地は特に決めていなかったけれど、のんびりと歩きながら景色を楽しむだけでも十分に楽しめたと思うのだ。
特に、彼女とは気が合うこともあって一緒にいるだけで楽しい気分になれるのだ。
そんなこんなで一日を過ごし終えた私達は帰路についたのだが、途中で休憩したり、
他愛もない話をしたりしているうちにあっという間に時間が過ぎていったのである。
気がつけば夕方になっていたので、そろそろ帰ろうかと思ったところでふと思いついたことがあったので提案してみることにした。
「ねえ、せっかくだからこのまま一緒に寝ちゃわない?」
それに対してリリアンさんは少し戸惑った様子を見せたものの、
結局は了承してくれたので遠慮なく甘えることにしたのである。
そうして眠りについたわけだが、翌朝目を覚ますと隣にいたのはリリアンさんだったはずだった。
そこにいたのはもう一人のリリアンさんだったのだ!
一体どういうことなのかわからず困惑していると、彼女は微笑みながら言った。
「おはようございます、愛羅様」
それを聞いて確信した。
目の前にいる人物は間違いなくリリアンさんなのだ。
だが、そうなると昨夜まで一緒にいたリリアンさんはどこに行ってしまったのだろう?
そんなことを考えているうちに再び眠気に襲われてしまい、二度寝することになってしまったのだ。
次に目が覚めた時にはいつも通りの光景が広がっておりホッと胸を撫で下ろしたのだが、
その代わりと言っては何だが数十人のリリアンさんが私を囲んでいたのだ。
もはや収拾がつかない状況に陥ってしまっていたのである。
そんな中、一人のリリアンさんが私に抱きついてきたかと思うと耳元で囁いたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます