第40話 戦闘

そんなことを考えながら、私達のパーティは魔物討伐の為に出発したのです。

しかし、私達は大きな勘違いをしていました。

「この程度ですか? もっと頑張ってください」

そう言って、彼女は次々と魔物を倒していきました。

その強さは圧倒的で、私達が苦戦していた相手を一撃で倒してしまうほどです。

私は驚きながらも彼女に尋ねました。

「リティアさん、あなたは一体……」

そうすると彼女は微笑みながら答えました。

「ふふっ、秘密です」

とだけ言って教えてくれませんでしたが、どうやら相当な実力者のようです。

そんなことを考えているうちに、いつの間にか目的地に到着していました。

そこは大きな洞窟でした。

中に入ってみると、そこには大量の魔物達が待ち構えていました。

私達は戦闘態勢に入りましたが、そこで異変が起こります。

突然地面が崩れ始めたのです。

このままでは生き埋めになってしまうと思った瞬間でした。

彼女が私の腕を掴みながら言いました。

「愛羅、掴まっていてください!」

「えっ? あっ、はい!」

言われるままに彼女の手を握ると、彼女は私を抱き寄せながら呪文を唱えました。

次の瞬間、私達の身体は宙に浮いていました。

どうやら風の魔法を使っているようです。

そのまま洞窟の出口まで飛んでいき、無事に脱出することができました。

その後、私達は街に戻り冒険者ギルドに報告して依頼を達成しました。

そして報酬を受け取った後、宿に戻ってゆっくりと休むことにしました。

しかし翌日になって大変なことが起こります。

なんとリティアが姿を消してしまったのです。

私はすぐに探しに行くことにしましたが、どこを探しても見つかりませんでした。

一体彼女はどこへ行ってしまったのでしょうか?

それから数日の間、私たちは必死になって探したのですが結局見つけることは出来ませんでした。

そしてある日のこと、突然手紙が届いたのです。

その手紙にはこう書かれていました。

『愛羅へ』

手紙にはこう書かれていました。

私はその手紙を読み終えると、すぐに行動に移しました。

まず最初に向かった先は冒険者ギルドです。

そこで情報を集めようと思ったからです。

しかし、いくら探しても彼女に関する情報は見つかりませんでした。

それでも諦めずに探し続けているうちに、ある噂を耳にしました。

それはリティアが魔王軍に寝返ったという噂でした。

それを聞いて私は愕然としましたが、同時に納得してしまいました。

なぜなら彼女はとても強かったからです。

もしかしたら本当に彼女が魔王軍の仲間になってしまったのかもしれません……そう思うと悲しくなってきましたが、

諦めるわけにはいきません。

必ず見つけ出してみせます。

そう決意した私は、再び旅に出ることにしました。

そして旅を始めてから数日後のこと、ついに見つけることができました。

彼女は魔王軍の幹部である四天王の一人として、魔王の城で暴れまわっていました。

私はすぐに彼女を止める為に戦いを挑みましたが、やはり敵いませんでした。

それでも諦めずに何度も挑戦しましたが、結局勝つことはできませんでした。

それどころか逆に追い詰められてしまいました。

もう駄目かもしれないと思ったその時、突然彼女が動きを止めました。

そして私の方を見ると驚いた表情を見せました。

どうやら私のことを思い出したようです。

そこで私は彼女に尋ねました。

貴女はどうしてここにいるのですか?  すると彼女は答えました。

愛羅がいないから探しにきたんだよ! と笑顔で言われましたが、

その笑顔にはどこか影があるように感じました。

でも今はそんなことを気にしている場合ではありませんね……なぜなら私達は今敵対しているのですから……仕方ないですね、

こうなったら力ずくで止めさせてもらいますよ!

こうして私とリティアの戦いが始まりました。

まず最初に動いたのは私でした。

彼女は魔法を使って攻撃してきましたが、私はそれを躱しながら近づいていきます。

そして剣が届く距離まで近づいたところで、一気に攻撃を仕掛けました。

しかし、それは簡単に受け止められてしまいます。

ならばと連続で攻撃を繰り出します!

しかしそれでもダメでした……一体どうすれば倒せるのでしょうか?

そんなことを考えているうちに、今度は彼女が動き始めました。

どうやら魔法を使うつもりのようです。

ならばこちらも全力で対抗するまでです。

私は両手を前に出して魔法陣を描きます。

そうするとそこから光の矢が出現して彼女の方に向かって飛んでいきました。

けれど、それも簡単に防がれてしまいました……やはり一筋縄ではいきませんね……こうなったら最後の手段です。

私は剣に魔力を集中させて、一気に解き放ちました。

そうすると、凄まじい光が辺り一面を包み込みます。

これならさすがに倒せるはず……そう思ったのですが、甘かったようです。

彼女は平然と立っていました。どうやら無傷のようです。

こうなったら最後の手段を使うしかありませんね!

私は覚悟を決めると、再び彼女に攻撃を仕掛けました。

今度は先程よりもさらに速く動き回りながら攻撃を繰り出しますが、やはり防がれてしまいます。

それでも諦めずに何度も繰り返していくうちに、少しずつですがダメージを与えることができている気がしました。

そしてついにその時がやってきました。

私の攻撃が彼女の右肩を貫いたのです。

やった! と思った瞬間でした。

突然彼女が笑い出しました。

何がおかしいのでしょうか?

私が疑問に思っていると、彼女は言いました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る