第21話 私と彼女

だが、それだけではなく、次第に身体に力が入らなくなり、徐々に眠くなる感覚に襲われたのです。

そんな私を見て、リリアーナが何か話しかけようとしていたのだが、

すでに意識を失ってしまった私は全く分からなかったのである。

目が覚めると、私は白い部屋にいた。

どうやら、夢だったようである。

時計を見ると、朝の五時だった。

私はベッドから起き上がると、ソファーに座った。

昨晩の夢は不思議な感覚があったが、何故か目覚めの良い朝であった。

そこで私は今日も魔物退治へと向かうのですけど、その前にリリィ達と合流しないといけないのです。

彼女達は冒険者であり、私も元々の目的は異世界で過ごすためのお金を稼ぐためだったのですが、

今ではすっかり夢中になってしまったのです。

ということで、今日も一日頑張りましょう!

そう呟きながら立ち上がると、私は寝室を出て、居間へ向かうことにするのでした。

そこには既に朝食が準備されており、美味しそうな匂いが漂ってくるとお腹が鳴ってしまったのです。

それほど空腹だということなのです。

そこで食事を食べていると、早速連絡が入ったのですが、その内容はとても面白いものでした。

何でも私達を狙っている魔物を討伐するクエストが出たという話があったのですが、

それを教えてくれた方がいたんです。

しかもその人は不思議な雰囲気を纏った人物でしてた。

その人とはどこかで会った気がするのです。

一体どこで見たのか考えているうちに時間が経過してしまいまして、

慌てて支度をして町を出てみるともう既に夕暮れ時になっていたというわけです。

さすがに、日が落ちると真っ暗ですし危険だし、今日は帰ろうかなと思い帰りかけようとした時、

一人の女性が立っているのを見つけたのです。

その方は、以前どこかでお見受けしたことがある方でした。

確か、悪魔教会の神殿でお会いした方です。

どうしてこんなところにいらっしゃるのでしょうか?

そんな疑問を抱えながらも話しかけてみたのですが、何故か避けている雰囲気があります。

どうしたんでしょう……?

私と話をしている間もずっと暗い表情を浮かべており、話しかけても答えてくれないですし、

ずっと無言のままなのです。

何だか怖いです……。

このまま私を殺すつもりなのでしょうか?

不安になった私は離れようとすると彼女は、追いかけてきたんです。

そして、私の手を掴むと強引に引っ張りながら走り出したんです。

一体どこへ行くつもりなのでしょうか……?

このままついていっていいのでしょうか?

でも、そんなことを考えても仕方ないと思うんです。

私は、とにかくついていくことにしました。

そうして、しばらく走るとようやく足を止めてくれたのです。

やっと終わりなのだろうかと思っているとどうやら違うようです。

彼女は、目の前にあった洞窟を指差して私に中へ入ってくるよう促してきました。

恐る恐る中に入って行くと、そこには驚くべき光景が広がっていたのです。

なんと、そこは祭壇だったのです。

その中央には女性の像が置かれており、その手前に燭台があって、火の灯っている蝋燭があるではありませんか!

ということはつまり、この女性が邪悪な力を持つ魔人だなんて考えにくい……ということでしょうか?

なら何故私をここに連れて来たのでしょうか?

彼女は私のことを見ずに黙っていますし、何か喋ったりしていないかなと思っていたのですが無言のままです。

それでも私は質問を投げかけてみました。

一体、貴方の目的は何ですか?

そう問いかけてみても反応はありません。

それどころか黙ったままです。

凄く不思議な子で人間じゃないという感じを受けたのですけれど……ただ本当に気になることが一つあります。

それが、彼女の瞳なのです。

時折、その子の足元から水面のような波紋が広がっていくのですが、それがなんとも奇怪なものなのです。

まるでゲームに登場するキャラクターの様な姿に見えます。

そして彼女はずっと俯いていて、瞳には光がない様に思えます。

さらに口がもごもごと動きながら何かを言っているんですが、全く聞き取れないので余計に謎が増してきます。

そんなことを考えていると突然、彼女が喋ったのです。

それもかなり感情的な感じですかね?

私は怖くなってすぐに話を切り上げたのですけれど……何故か彼女の瞳が焦点が

合っていないような感じがしてすごく怖かったですし、表情にも生気がなかったように見えました。

どうやら先程喋った言葉が余りにも衝撃的で怖くなったのだと思いますけど、話の内容は全く分かりませんでした。

それでも恐怖感が抜けないので戻ろうとしても中々その場から動けない私ですけれど、

なんだかんだ時間が経過で気が付くと、見慣れない場所に立っていました。

部屋の中を見渡すと大きなクローゼットがあり、他は特に何もありません。

つまり、この部屋はどうやら彼女の寝室らしいです。

そうすると、部屋の奥から一人の女性が現れました。

(はっ……!? まさか……悪魔様……?)

当然そう思うのは当然です。

何故なら、人間ではない雰囲気を身にまとっていたからです。

その容姿を見た時、あまりにも美しい姿で見惚れてしまったくらいです。

思わず息を呑んでしまいましたし、何故だか身震いを感じたくらいです。

それくらい美しかったのです。

我に帰ってよく見ると間違いなく人でした、良かったぁ……などと馬鹿なことを

考えつつ改めて相手を見つめてみることにします。

年齢は20歳前後といったところでしょうか?

眼鏡をかけているので分かりづらいのですが、顔立ちも整っていて美人だと言えるでしょう。

目は一重で、きりっとしていて何か強い意志を持っているような瞳です。

黒色の髪は長くて、目鼻立ちがくっきりしているため、かなり印象的です。

何よりも彼女はスタイルが良い上に巨乳なんです。

程よい大きさの胸とキュッと括れているウエストが際立って見えるんです。

(羨ましい限りでございます)

着ているのはローブでしょうか?

中に黒のインナーを着用していて、ちょっとセクシーなデザインになっていてすごくいいんです。

次に目が行ったのはそのフードでして、最大の特徴と言えるかもしれないです。

髪がすべて隠れているので顔が見えず、まさに暗殺者のような雰囲気を放っているわけです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る