第19話 妊娠Ⅰ

「ねえ、どうすればいいと思う?」

相談してみたところ、彼女は迷うことなくこう言ってきたのである。

「簡単じゃないの、さっさと全部切り落としちゃいなさいよ!」

その言葉を聞いて私は思わず唖然としてしまった。

しかし、彼女が冗談を言うような子ではないことは分かっている。

だから本気なのだということも分かっていたのだが、やはり抵抗があるのだ。

何故なら、リリアーナが提案したことがかなり難易度の高いことであったからだ。

しかし、リリアーナは気にすることなく、さらにとんでもないことを言い出したのだ。

「それに、どうせ子供を作るなら早い方がいいでしょう? それに、愛羅にはリリィがいるんだしさ」

そんなことを言う彼女はどこか楽しそうだ。

そんな彼女を見ていると、私もだんだん乗り気になってしまったのである。

そして最終的には、私とリリアーナ、それに愛梨とルナーの4人で協力して取り掛かることになったのだ。

その結果、見事に成功した私たちは喜び合いながら次の問題へと向かうことになった。

まずは、リリアーナのお腹に子供が宿っているため出産の準備に取り掛かることにした。

妊娠した場合、女親の私の側が一番安心であると判断したリリアーナは、私と住む部屋に移動したのである。

「ふふっ、愛羅がママになるなんてね」

リリアーナはそう言って微笑んでいる。

そんな彼女を見ていると、私も自然と笑顔になっていた。

そして、これから生まれる子供について色々と話し合ったのだが、その際に私はある提案をした。

それは、生まれてくる子供が女の子の場合、リリィと私の名前から一文字ずつ取って名付けることにしたのだ。

こうして話はまとまり、いよいよ出産の日がやってきたのである。

私とリリアーナは緊張しながらその時を待っていたのだが、ついにその瞬間が訪れたのだ!

「オギャア! オギャア!」

という産声と共に生まれた我が子を見た瞬間、私達は感動に打ち震えていた。

そして、無事に産まれたことに感謝しつつ、この子の名前を考えることにしたのだった。

しかし、なかなか良い名前が思い浮かばず悩んでいると、ふとあることを思い出したのである。

それは以前読んだ本の中に書かれていたことで、男の子の場合は父親の名前を、

女の子の場合は母親の名前から一文字ずつ取って名付けるという風習があることを知ったのだ。

そこで、早速試してみることにしたのだが、これが意外にも上手くいったのである。

こうして無事に産まれた子供は、リリアーナがリリィと私の名前をそれぞれ取って、サナーと名付けたのだった。

それからというものの、私達は幸せな日々を送っていた。

そんなある日、私はリリアーナにある相談を持ちかけられたのである。

それは、私とリリィの子供が欲しいというものであった。

最初は戸惑ってしまったが、それでも彼女の真剣な眼差しを見ていると断れなかったため了承することにしたのだ。

そして、その日以来、私達は毎日のように愛し合うようになったのだが、

ある日のこと、突然リリアーナの様子が変わったことに気づいた私は心配になり声をかけた。

そうすると彼女は恥ずかしそうにしながらもこう答えてくれたのである。

「実はね、最近体調が悪くて……そのせいかな?

何だかお腹が痛いような気がするのよね……」

それを聞いた瞬間、私は嫌な予感を覚えたため急いで医者を呼んだところ、

やはり予想通りの結果となってしまったのだ。

つまり、妊娠したのである。

しかも双子であり、どちらも女の子であった。

これには私も驚きを隠せなかったが、それ以上に喜んでいたのはリリアーナの方だったかもしれない。

何しろ、念願の子供ができたのだから無理もないだろう。

こうして新たな家族が増えた私達は、より一層幸せな生活を送り続けることになったのである。

ある日のこと、私とリリアーナは買い物に出かけていたのだが、その途中で偶然にもルナーと遭遇したのだ。

彼女は私達の姿を見ると駆け寄ってきて話しかけてきたのである。

「あら? お二人共、こんなところで何をなさっているのですか?」

そう尋ねてくる彼女に答えると、何故か不思議そうな顔をされてしまったので不思議に思っていると、

今度はこんなことを言ってきたのだ。

「あのー、失礼ですがどちら様でしょうか?」

それを聞いて私は驚いてしまったが、すぐに事情を説明したところ納得してくれたようであった。

その後、彼女と別れた後、私達は屋敷へと戻ったのだが、

その際にふとあることを思いついた私は試してみることにしたのだった。

それは、リリィ達にも協力してもらおうと考えたからである。

早速、私は彼女達に事情を説明して協力してもらうことにした。

まず最初に行ったのは、リリアーナとルナーを素肌にして抱き合ってもらうことだった。

そして、その後には私とリリィが同じように抱き合ったのである。

「ねえ、愛羅。これ、何か意味があるの?」

不思議そうに尋ねてくるリリアーナに対して、私は笑顔で答える。

「ふふっ、秘密よ」

私がそう答えると、彼女は少し不満そうな表情を浮かべたもののそれ以上追及してくることはなかった。

そして、その夜のこと……私達はいつも以上に激しく愛し合ったのである。

その結果、翌朝には全員が満足そうな顔をしていたことは言うまでもないだろう。

(ふふっ、これで準備完了ね)

そんなことを考えつつ、私は彼女達に別れを告げた後、屋敷へと戻ったのだった。

それから数日後のこと、リリィ達のお腹が大きくなっていることに気づいた私は慌てて駆け寄ると事情を尋ねたところ、

どうやら双子を妊娠したことが分かったらしいのだ。

これには私も驚きを隠せなかったのだが、それ以上に喜んでいる自分がいることにも気づいていたのである。

何故なら、私とリリィの間に子供ができるなんて夢にも思っていなかったからだ。

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