第16話 依頼
「こんにちは、冒険者登録をしたいんですけど」
私がそう言うと受付嬢さんは笑顔で対応してくれました。
「かしこまりました、ではこちらの用紙に必要事項を記入してください」
そう言われて渡された用紙には名前や年齢などの基本的な情報の他に、得意な武器や魔法などを書く欄がありました。
とりあえず一通り埋めた後、再度確認してもらってから提出すると、
今度はギルドカードを作るための手続きをすることになりました。
まず最初に魔力を測定するために水晶玉のようなものに手をかざすように言われたので言われた通りにしてみました。
そうすると水晶玉が光り輝き始めました!
どうやら成功したみたいです。
その後、ギルドカードを受け取った後、簡単な説明を受けた後、早速依頼を受けてみることにしました。
「ええと、どの依頼がいいかな?」
などと呟きながら掲示板を眺めていると、後ろから声をかけられました。
振り向くとそこには一人の女性が立っていました。
その女性は私に向かって微笑みながら話しかけてきました。
「ねえ、あなたってもしかして初めての依頼よね?」
いきなりそんな事を言われてしまって動揺してしまいましたが、正直に答えておくことにしました。
そうすると彼女は嬉しそうに頷きながら言いました。
「やっぱりね! それじゃあ、お姉さんが色々と教えてあげるわね!」
と言って私の手を取るとそのまま受付カウンターの方まで連れていかれました。
どうやら手続きをしてくれるみたいです。
というわけで、まずは依頼の種類について説明を受けました。
まず最初に選ぶことができるのはFランクからSランクまでの七段階に分けられているそうです。
初心者向けのFランクであれば、ゴブリンやスライムといった比較的弱い魔物を倒すことになりますし、
Cランクであれば、オークやオーガといった強い魔物を倒すことになります。
さらに上に行けば行くほど、依頼の難易度が上がっていくみたいです。
ちなみに私が受けることのできる最高ランクはAランクなのですが、まだ冒険者になったばかりの私には縁のない話です。
でもいつかは私もAランクの依頼を受けてみたいと思っています。
さて、説明も終わったところで早速依頼を受けることにしました。
最初は薬草採取という簡単なものから始めることにしました。
まずは街の外に出る必要があるため、街の外まで向かうことになりました。
幸いにも冒険者ギルドには馬車があるのでそれに乗って移動することができますので大助かりです。
しかも無料ですしね。
そんなことを考えているうちに目的地に到着です。
いよいよ本番ですよ〜! と意気込んでいるのですが、肝心の薬草の種類を知らないことに気づきました。
どうしようと考えていたところ、ギルド職員の方が声をかけてくれました。
曰く、薬草はこの辺りに生えているらしいです。
さっそく探してみることにしました。
そうすると、すぐに見つかりました。
一つ目の依頼を達成することができてホッとしていると、急に背後から声をかけられました。
振り向くとそこには一人の女性が立っていました。
「こんにちは、あなたってもしかして薬草の見つけ方を知らないのかしら?」
そう言われて戸惑いながらも頷くと彼女は微笑みながら近づいてきました。
そして、私の手を取るとこう言いました。
「私が教えてあげるね!」
そう言って私の手を引くと、その場所から離れようとしたのですが、
彼女が何のつもりなのか分からずついていくことにしました。
その後、私たちは近くの森までやってきました。
「ねえ、どうしてこんなところに来たんですか?」
私が不思議に思って聞いてみると、彼女は微笑みながら答えてくれました。
どうやら森の奥の方にある綺麗な泉の近くまで来たようです。
なんでもその場所にしか生えていない稀少な薬草があるみたいですが、知っている者は殆どいないそうです。
なので、誰も採りに行くことがなく放置されているようですが、
おそらく私がギルド職員の女性のおかしな体質に惹かれてしまったのかもしれないとその時自覚してしまいました。
ですが、後悔していても仕方がありませんし、勇気を出して行動に移すことに決めました。
彼女が用意した梯子から滑り落ちるかのように落ちながら、その身が飛んでいく。
もちろん、飛び出したという体だ。空中に舞い上がり、そして落ちていったかと思えば、
どこからともなく衝撃が巻き起こり、エルフの身体を打ちのめす。
その威力たるや凄まじいものがあったものの、それはあくまで表面的な話だ。
しかしそれでも十分にエルフは苦しめられているらしく、苦痛に呻き声を上げている様子が見て取れる。
そして、ついに地面に衝突した時には、エルフは意識を失ってしまうのであった。
その様子を見た他の冒険者たちが、ざわついているのが分かる。
そんな中、一人だけ冷静に状況を把握している者がいた。
それは、ちょうどすぐ近くにいた男冒険者である。
彼は倒れたエルフの元に駆け寄ると、注意深く観察した後、仲間の女性を呼んだ。
そして二人で話し始めるのだが、その内容までは私には聞き取れなかった。
それでも、聞こえてきた声から判断する限り、何か異常事態が起きていることだけは明らかだった。
その後、慌てて駆けつけてくる者の姿を見れば、さらに不味い状況であることは言うまでもないだろう。
私はすぐにこの場を離れようとしたが、時すでに遅く、背後から近づいてくる足音を聞いた瞬間、意識を失ってしまったのである。
気がつくと私は、どこかの建物の中にいた。
そして手足の自由を奪われており、身動きが取れない状態であった。
一体何が起きているのか、理解出来ない状況であったが、唯一分かったことは、今いる場所が牢屋の中らしいということだけだ。
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