第12話 旅のその続きを
「ふーん、なるほどね〜」
何やら意味深なことを呟きながら頷いているルティアを見ていると余計に恥ずかしくなってきてしまい
顔を背けるようにして俯くことしかできなかった。
するとそこへ別の声が聞こえてきた為其方を向くと
そこに居たのは私の親友でもあるリリィとその後ろに隠れるかのようにして立っている小さな人影があった。
恐らくその子が例の精霊とやらなのだろうということは察しがついたのだがそれにしても随分と怯えているように
見えるのはやはり先程の騒動が原因だろうかと思って見ているとふいに彼女と視線が合ってしまい咄嗟に目を逸らそうとした時だった。
急に抱きつかれてしまったのだ。
何事かと思い戸惑っている私に構わず彼女はこう言ったのである。
それを聞いた私は嬉しさのあまり涙を流してしまっていた。
そんな様子を見ていた彼女たちもまた貰い泣きをしてしまっていたようで気が付けば全員で抱き合って泣いていたというわけで
「さてと、それじゃあそろそろ行きましょうかね」
そういって立ち上がったのは金髪の女性だ。
見た目的に二十代前半といったところだろうか?
顔立ちは非常に整っておりスタイル抜群で、出るところは出ているという感じで正直羨ましいくらいのプロポーションをしているように思えるのは決して
僻みではないはずだと信じたいところだなと思いつつもその女性に手を引かれる形で歩き出すことになったわけだけどなんだけど、
その際に周りを見回してみたところどうも森の中にいるっぽいことがわかったんだ。
それでさどうしようかと考えていたらいつの間にか日が暮れてしまってたみたいで真っ暗になっちゃったんだ。
仕方ないから野宿することにしたんだけどさやっぱり怖いじゃんだから、
どうしようって思ってたら急に声をかけられてびっくりしちゃった。
恐る恐る振り返ってみるとそこにいたのは同い年くらいの少女だったんだけど、
「ねえ君一人? 良かったら私と遊ばない?」
って聞かれたときはちょっと戸惑ったけど別にいいかなって思ってOKしたんだそしたら向こうも喜んでくれた。
みたいだったからさ安心したんだよねでもまさかあんなことになるとは思わなくてさ、
最初は普通に喋っていただけだったのに途中から変な雰囲気になってきてだんだん距離が近くなっていったと思ったら、
急に押し倒されちゃってもう何が何だか分からなかったんだ、でも不思議と嫌じゃなかったというか寧ろ嬉しいって感じてた気がするんだ。
「えいっ!」
っと掛け声と共に放たれた強烈な一撃によって吹き飛ばされていくスライムたちを見ながら勝利の余韻に浸っていた時のことだった。
背後に気配を感じたので振り返ると其処には一人の男性が立っていて私に声をかけてきたんだ。
その男性は如何にも魔法使いといった風貌をしていてローブ姿に杖を持っていた。
ことから一目見ただけで分かるくらいに典型的な格好をしていたんだけど、
何故か妙に親近感が湧いてきたので思わず声をかけてしまったんだ。
「あの、どうかされましたか?」
そう尋ねると彼はハッとしたような表情を見せた後で咳払いをするとこう言ってきたんだ。
「いえ、何でもありません、失礼しました、それでは失礼しますね、お嬢さん」
それだけ言うと足早に立ち去ってしまったものだから呆気に取られてしまったものの、
とりあえず追いかけることにしたんだ。
理由は分からないけれどこのまま放っておくわけにはいかないと思ったから、
それに何より彼ともっと話がしたかったんだよ、だから思い切って呼び止めたんだ。
そうすると彼が立ち止まって振り向いてくれたからチャンスだと思って声をかけたら快く応じてくれたからホッと胸を撫で下ろしたんだ。
でも次の瞬間、信じられない出来事が起こったんだ。
なんと、彼の姿が消えてしまったのだ。
一体どういうことなんだろうと思っているうちに視界が暗転、気が付くとベッドの上に寝転がっていた状態だったというわけだ。
しかも裸のままで寝ていたことに気づいてパニックになりかけたんだけど何とか堪えることが出来たおかげで冷静さを取り戻すことができたんだと思う。
そこでようやく自分が今置かれている状況を理解するに至った訳だが、
それと同時に羞恥心に襲われていると部屋のドアが開いて誰かが入ってきたのが
見えたので身構える事にした。
ところが現れたのは見知った顔の人物だったので安堵すると同時に疑問が浮かんだ。
何故彼女がここにいるのか理解できなかったからである。
なので直接聞いてみることにしたのだ。
その結果分かったことは以下の通りである。
まず、ここは彼女の家であることそして私を助けてくれた張本人だということ、最後に今は一緒に暮らしているということであった、
それを聞いて嬉しくなった反面恥ずかしくもあったけれど素直に感謝の気持ちを伝えることにしたのだった。
すると彼女が微笑んでくれたので私もつられて笑顔になるのだった。
その後、私達はお互いのことを話し合ったりした後で眠りについたのだった。
翌朝目が覚めると隣に彼女がいたのでびっくりしたものの、すぐに昨夜の出来事を思い出して納得するとともに幸福感に包まれていくのを感じたのだった。
「おはようございまーす! ご主人様ぁ♡」
そう言って元気よく飛び込んできたメイド服を着た少女の姿を見た俺は一瞬固まったもののすぐに気を取り直してから返事をすることにしたのだった。
「ああ、おはようリリィ」
と返すと嬉しそうに微笑んだ後で抱きついてくる彼女を抱き留めつつ頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を
細める様子が可愛くてついつい頬が緩んでしまう俺だったが、そんな様子を羨ましそうに見ていた他の子たちの視線に気付いたことで
我に帰ると慌てて離れることにするのだった。その様子を残念そうに見つめていた彼女達だったがすぐに切り替えたのか朝食の準備を始めてくれていたので
助かったと思いながら席についたところでふと思い出したことがあったのでリリィに声をかけてみたところ、
不思議そうな顔をされてしまったのだが気にせず話を続けることにする。
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