第8話 戦闘中
そんな中、リリィが突然叫び声を上げました。
驚いてそちらを見ると、彼女が血を流していたので心配になりましたが、
どうやら無事のようで安心しました。
そんなことを考えている間にも敵は迫ってきていたのですが、なんとリリィはそれを迎え撃つべく、
自分から向かっていったのです。
これにはびっくりしましたが、よく考えると彼女の実力なら問題ありません。
その証拠に敵の攻撃を次々と捌いています。
このままいけば勝てるかもしれないという希望が見えてきました。
ただ、その前に回復魔法をかけなければいけません。
というわけで、ルティアを呼び寄せて治療してもらいましょう。
そうすると、みるみるうちに傷が塞がり、痛みもなくなりました。
よし、これで大丈夫そうです。
それじゃあ行きましょうか。
私は仲間たちと共に敵を追い詰めていき、最後のトドメとばかりに全員で総攻撃を仕掛けました。
そうすると、遂に倒すことができました。
やったー! ついに勝てたんですね! とても嬉しいです!
思わずガッツポーズしてしまいました、それくらい嬉しかったんです。
そんな喜びに浸っていると、どこからか声が聞こえました。
その声はどうやら目の前の鎧の中から聞こえているみたいでした。
不思議に思って近づくと、兜を外すような音が聞こえてきて、
中から現れたのは若い女性の顔だったので驚きました。
まさか人間が出てくるとは思ってなかったので混乱していると、その女性は微笑みながら話しかけてきたのです。
彼女曰く、自分は元々ここに住んでいた貴族の娘で、ある日、街に出かけた帰りに謎の集団に襲われてしまい、
捕まってしまいここに連れてこられたのだと言います。
そこで、今までずっと囚われの身だった彼女は、復讐を果たすために立ち上がったのだと言いますが、
果たして本当でしょうか?
怪しいです……信用できません。
それに見た目からしても、あまり強そうには見えないんです。
ちょっと拍子抜けです。
まあ、いいですけど、とりあえず話を聞いてみましょうか。
もしかしたら有益な情報が得られるかもしれません。
というわけで、彼女の話に耳を傾けることにしました。
「それであなたは何をするつもりなんですか?」
そう聞くと、彼女は真剣な眼差しを向けてきました。
その迫力に圧倒されつつも、しっかりと見つめ返すことでそれに応えました。
そうすると、彼女はゆっくりと口を開き、話し始めました。
その内容はこうでした。
どうやらこのダンジョンには、まだ隠された秘密があるらしいのです。
それを解き明かすことが、私の使命なのだと彼女は言いました。
しかし、どうやってそんなことを調べたのかは不明です。
謎ばかりが増えてしまいました。
どうしたものかと考えていると、彼女はこんなことを言い出しました。
「あの……よろしければ私も一緒に連れて行ってもらえませんか?」
それを聞いて私は困惑してしまいました。
どうしてわざわざ危険な場所に行こうとするのでしょうか、私には理解できませんでした。
そうすると、ルティアが横から口を挟んできました。
どうやら彼女には思い当たる節があるようです。
いったいどういうことなんでしょうか?
私が不思議そうにしていると、その理由を教えてくれました。
どうやらここのボスを倒した際に、魔法陣が出現したらしいのです。
それが何なのか分からず、放置していたのだが、今にして思えばもしかするとこれが原因なのかもしれないとのことでした。
なるほど、そういうことでしたか。
確かにあり得る話だと思いました。
ならば、ここはついていくしかないです。
そんなわけで、私達は新たな仲間を加えて先へ進むことにしたのでした。
しばらくして、私達の前には巨大な扉が現れました。
どうやらここがボス部屋というやつでしょう。
意を決して中に入ると、中には一人の男が佇んでいました。
彼はこちらに気づくと、不気味な笑みを浮かべて近づいてきました。
その姿はまるで幽鬼のようで、背筋が凍りつくほどの恐怖を感じました。
男は何かを呟いているようだったのですが、聞き取れません。
なので、私達は攻撃態勢に入るのです。
まず最初に動いたのはリリィでした。
目にも止まらぬ速さで接近すると、鋭い斬撃を浴びせかけます。
さすがの威力で、相手の胴体を切り裂きましたが、致命傷には至らなかったようで、
すぐさま後退していきました。
その後を追うように、他の仲間達が突撃を開始しました。
彼女達の動きはまるで舞を舞うかのように美しく、華麗でありました。
しかし、相手は全く怯む様子もなく、逆に次々と襲いかかってきます。
それに対して、こちらも必死に応戦していましたが、さすがに多勢に無勢です。
このままではいずれやられてしまうことは明白でした。
そんな状況にも関わらず、私は冷静に判断を下して指示を飛ばしていました。
こういう時こそ、落ち着いて行動することが大切ですから。
とはいえ、戦況はかなり劣勢ですので焦りを感じていました。
そうすると、突然、後方から矢が飛んできて、敵に命中することに成功しました。
振り返ると、そこには弓を構えたリリィの姿がありました。
どうやら彼女が援護してくれたみたいです。
ありがとうございます、助かりました!
私は心の中で感謝の気持ちを伝えつつ、次の指示を出そうとしますが、
その瞬間、足元に黒い影が伸びてくるのが見えました。
それは徐々に広がっていき、やがて全身を包み込んでしまったのです。
何が起きたのかわからず戸惑っていると、次の瞬間には意識が遠のいていく感覚に襲われ、
その場に倒れてしまいました。
薄れゆく意識の中で最後に見たものは、こちらに手を伸ばす仲間たちの姿でした。
こうして、私たちは気を失ってしまいました。
次に目が覚めた時には、見慣れない天井がありました。
どうやらベッドの上に寝かされていたみたいです。
身体を起こそうとすると、全身に痛みが走ります。
どうやら、怪我をしているようでした。
なんとか起き上がり、周りを見回すとそこは病院のような場所でした。
隣には私の腕を掴んで離さないアリスの姿がありました。
どうやら心配してくれていたようです。
それにしても、なぜこんな場所にいるのか全く理解できませんでした。
とりあえず起き上がろうとすると、身体に力が入らずバランスを崩してしまいます。
咄嗟に受け止めてくれたので助かったのですが、それでも身体が重く感じられました。
まるで自分の体じゃないみたいに感じられるほどです。
一体どうしたんでしょうか?
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