壮大な世界観に理由あり

冒頭、複数の宇宙を管理する神や始原の神、ダークエネルギー津波といったスケールの大きな世界観が示されますが、それがむやみに大風呂敷を広げているのではなく、物語をしっかりと支える下部構造と、推し進めるダイナミズムを与えているところがすごいと思います。主人公はそのような世界の根源にも触れる存在であり相応の能力を持ちながら、その日常はおごらず気負わず、恬淡と学生生活を営んでいる様子にほっこりします。とても好きなタイプのヒロインです。考え抜かれた設定や各種専門用語は広汎で把握するのも骨が折れますが、各章の終わりに置かれた設定集に助けられてなんとかついて行けています。楽しい物語と行き届いた配慮に感謝です。これからもどうぞよろしくお願いします。