第5話 年の暮れ
えー、浅草の祭りやイベントと
年の暮れともなると、浅草寺界隈は大にぎわいだ。例えば歳の市。
開催日:12月17日、18日、19日 開催場所:浅草寺境内
「歳の市 (羽子板市)」は、浅草の年の瀬の風物詩として親しまれている、その年の最後の市です。日用品や正月用品に加え、羽子板も販売され人目をひくようになったことから、“羽子板市”と呼ばれるようになったそう。定番の歌舞伎の絵柄から、話社会風刺、人気タレントなどを題材にした羽子板まで、多彩な作品が販売されています。黒柳さんやダルビッシュ有さんの羽子板はそっくりだったね。
そして、一年の〆が除夜の鐘だ。
開催日:12月31日 開催場所:浅草寺
各寺院で行われる“除夜の鐘”とは、大晦日の深夜にかけて、百八煩悩を救うために108回の鐘をついて新年を迎える日本仏教の伝統行事のこと。浅草寺でも大晦日の夕方ごろから毎年多くの参拝者が集まり、旧年を振り返りながら年が明ける瞬間を待つわけだ。除夜の鐘を聴きながら年越しそばを食べるのも悪くないですな。
以上、浅草で開催される年間行事やイベントを大まかにご紹介しました。普段の浅草も十分に魅力的ですが、こうしたお祭りやイベント時期にあわせれば、より一層にぎやかで活気のある浅草を楽しめるはず。旅行を計画している方は、これらを参考にスケジュールを組んでみてはいかがでしょうか?
ということで、〈月と萩〉のマスターはどうしてっかな?
カランコロン
「流暢師匠、いらっしゃい!」
「マスター、おひさ。いつものを」
「はい、いつものね」
カランコロン
「おー、亜美ちゃんいらっしゃい!」
「マスター、お久しぶりです」
「お久しぶり。流暢師匠と待ち合わせかい?」
「実はデートなの」
亜美のおどけた笑顔が隣にあった。
「えっ?」
亜美の父親のつもりでいるマスターが目を見開いた。
「マスター、内緒にしててすまねぇ」
「……嘘だろ」
マスターが信じられないと言った顔をしていた。
「亜美、何にするんだい?」
「そうね、あなたに合わせてモカを」
「お前
「ふふふ」
「マスター、モカ追加」
「あ、はい」
マスターからは動揺が
「今年は珍しく年末年始とオファーがあって、マスターと行くはずだった温泉にも行けなかった。その上、愛娘の亜美ちゃんまで恋人にしちまってすまねぇ」
流暢が頭を下げた。
「マスター、ごめんね」
「なんで謝るんだい。誰を好きになろうと亜美ちゃんの自由だ。ましてや流暢師匠なら言うことないや」
「……マスター、ごめん。付き合ってない。流暢さんのことは好きだけど、お兄ちゃんみたいな存在」
「マジで?」
マスターがニヤニヤしながら目を見開いた。
「なんだよ、お兄ちゃんみたいな存在だと? 亜美ちゃんにはひじ鉄砲だし、マスターからは水鉄砲だし。おいらは無鉄砲だし」
「あら、私はテッポウユリぐらいにして」
「じゃあ、鉄砲にちなんで、休憩時間にテッポウでも食べに行くかい?」
「行く、行く」
「ま、妹が行くってんなら行くか」
「流暢師匠、亜美ちゃん、来年もよろしく」
「こちらこそ、何卒よろしくお願い申し上げます」
「マスター、流暢さん、来年もよろしく~」
ということで、来年も〈月と萩〉を宜しくお願い申し上げます。
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