初共闘の後日談
翌日、二人揃っていつもより少しだけ起きるのが遅かった俺と
おかげで学校へ行く道中も眠い……。
「学校に付いたら、
「あー……確かにあの二人、結構上手かったよな。サブキャラであんなに簡単にエリアボスが倒せるなんて」
「だよねー。
「いや、実際優秀な後衛職は必要だよ」
気が付けば、
話題も増えたし彼女も嬉しそうにしてるし、何より共通の趣味が増えたのは俺も嬉しい。
そんな風に会話に花を咲かせてしばらく、俺と
その直後のことだった。
「
「危っ───!」
「きゃっ!」
突然のことに驚いた
そんな
ニコニコの笑顔の
周囲の男子から睨まれる俺。
頬を膨らませてムッとする
なんだこの状況は。
「何なんだいったい」
「昨日は本当にありがとうね! お陰で助かった!
「いやホント、白狐谷君のお陰で助かったわ」
答えたのは、膝の上に居る
このメンバーは……
「……SWOの話か! 紛らわしい言い方すんなよ」
「そ! でもいきなりの救援でも来てくれて本当に助かったんだよ?」
「
「待って、なんで私が妹になってるの?」
「
「背が小さいところとか、ちょっとドジなところとか……」
「あとはお菓子あげれば大抵機嫌が良くなるところとかな」
「ちゃんとわがままを聞いてやる
「私の方が
プンスカしてる
『そういうところだぞ』と……。
「いや、今はそんなことはどうでもいい。
「お前見てただろ。向こうから突っ込んできたんだ、完全に冤罪だろ」
「うるせぇ! しれっとハーレムかましてる奴の意見は聞かん!」
「
「くっ、解せねぇ……確かに背が高くてそれなりのイケメンで、筋肉もあってテストの順位も悪くなくて、清潔感もあって何だかんだ言いながら世話焼きで……あれ? 欠点無くね?」
クラスメイトの男子の一人、
「そうなんだよね。白狐谷君って、女子から見ると欠点らしい欠点がなくて、総合ポイントが結構高いんよ」
たまに、『そんな男子が車イスで……私がいなきゃダメな身体に……うへへへ……』と妄想してるヤバい奴も居るが、
「そうそう。しかも
「それはホント! ちょっとしたボディタッチで勘違いする奴とかいるもんね~。ただのクラスメイトだっての」
つまりは彼女らにとって
それはを聞いて安心する一部の男子。
が、それはそれで羨ましいと、多くの男子が絶望に沈むこととなったのだった。
♢♢♢♢
「
「唐突にどうした?」
その日の帰り道、俺の車イスを押す
「
「……あれは男友達としてじゃないのか?」
まぁ、実際
が、だからといってそれ以上の何かをしてくるようなこともないし、車イスの俺は
「でも
「それはまぁ……」
「ふ—————————ん?」
なんだか不機嫌そうな
「ど、どうした? 別に普通に仲良くしてるだけだぞ?」
「それはそうなんだけど、そうじゃなくてぇ……」
「ならどうしたんだ?」
「あのさ、
「えっ?」
改めてどうかと聞かれると……どう思っているんだ?
今までずっと一緒に居て、家族みたい……というよりは、実際に家族だと思っている。
悲しい時も辛い時も、嬉しい時も常に隣にいた。
それが当たり前だと思える人物。
俺にとって、
「改めて言葉にするのはなかなか難しいんだけど……」
「何……?」
車イスを押していた
その表情はどこか不安そうで、それでいて期待を含んだ目だ。こんな表情をする
「これは俺の我儘かも知れないけど……
「えっ……!?」
俺が話す途中で声を上げる
口に手を当てて驚きを隠せない様子の
「あ、
「ううん……そうじゃなくて、嬉しくて。えへへ……そっかぁ♪」
不安そうな様子も不機嫌そうな様子もどこへやら。
上機嫌に声を弾ませた
どうやら俺は正解を言えたようだ。
この時俺が
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