千紘のクラスの非常な日常

まえがき


ちょっと短めですがなんとなく書けたので投下。

皆さん明けましておめでとうございます(_ _)


─────────────────────


ある日の朝。

いつもの通りに登校した俺と燈瑠あかるは、いつも通りの明るいクラスの雰囲気に包まれた。



燈瑠あかるちゃん、おはよっ! 今日も可愛いですなぁ……」


「ぁっ、ゆいちゃんおはよっ! どうしたの?」


「いやぁ、なんて言うか……夕べはお楽しみでした?」


「えっ、えっ? どういうこと?」


「SWOな話。昨日【ヘリオール】に来てたでしょ? 私たまたまそこに居てさぁ、見ちゃったんだよねぇ……燈瑠あかるちゃんと千紘ちひろ君が仲良さそうにしてるの……」


「えっ、あー、ゆいちゃんあそこに居たんだね……。まぁアバターの見た目が見た目だし、分かっちゃうかぁ」



(まったく動揺していない……だと……?)



「てかそれだったら声かけてくれれば良かったのに」


「いや、2人のデートに割り込めるわけないじゃん?」


「デートって……そんな大げさなものじゃないんだけど」


「いやいや、こういうのは意外と相手の方が本気にしてたり……ね、千紘ちひろくん?」


「んっふ!? いきなりこっちに話振るんじゃねぇ!」



にやにやと悪魔の笑みを浮かべたゆいがこちらににじり寄ってくる。燈瑠あかるは頭の上に『?』を浮かべたままだし、クラスの男子達の視線が俺に集中してる気がする。



千紘ちひろくん……燈瑠あかるちゃんの抱き心地はどうだった?」


「「「っ!!?!?!??」」」



ガタガタッ!!


ゆいによる突然の爆弾発言。

真偽のほどはともかく、周囲で聞き耳を立てていた男子達が一斉に立ち上がる!



「落ち着けよ男子ども、まだ千紘ちひろは何も言ってないぜ?」


「おいこら、変なこと言い出すんじゃねぇ!」


「いやだって燈瑠あかるちゃんって小さくて巨乳で抱き心地良さそうじゃん? え、何? あれだけ一緒に居て抱き締めたこともないの?」


「いやまぁ車イスの乗り降りとか、昨日SWOでも……って変なこと言わせんな」



「語るに落ちたなぁ千紘ちひろぉ? そりゃギルティだぜ」

「お前の存在で燈瑠あかる狙いの奴らが何人血涙流したと思ってんだ」

「なぁちょっと東京湾見に行かねぇ? 俺連れてってやるよ。もちろん海底までな」


「でも実際千紘ちひろばっかりが燈瑠あかるちゃんを独り占めしてるのずるいよね」

「私だってあかるんとイチャイチャ……じゃないや、一緒に遊びたいのに」

「ねー千紘ちひろお兄ちゃん、一日だけあかるん貸してくれない?」



「あ、これ俺の味方いねぇな?」


「ほー、これが……」


「なんだ瑠璃亜るりあ、俺の手をベタベタ触ってきて」


「いやぁこの手で毎日あかるんのおっぱい揉んでると……」


「ふんっ」


「あっ! ちょっ……こらこら千紘ちひろくん、私の頭はハンドボールじゃないぞう?」


「いや、投げやすそうな大きさだと思ってな?」


「痛っ、ねぇちなみに握力何キロ?」


「88」


「あぁ、通りで頭が割れそうなぁぁぁぁあああ゛あ゛あ゛っ!!」



「ちょっとずるいよ瑠璃亜るりあ! 私も千紘ちひろ君に頭握られたい……」

「いやいや、この2人は遠くから見守ってこそだろ」

「おいこら千紘ちひろ! 燈瑠あかるが居てさらに瑠璃亜るりあにまで手ぇ出そうとしてんじゃねぇ!」

「嫁が怒るぞぉ」


「まだ嫁じゃないもん!」


「これもう答えだよな」

「あぁもうじれってぇな。やらしい雰囲気にしてやるぜ」



「このクラスにはツッコミ役が居ないのかよマジで……勘弁してくれ」



これもこのクラスのいつもの光景だ。

なんか人気ありすぎるんだよな、燈瑠あかるって。


辟易とした表情を浮かべる千紘ちひろは、自身も結構人気があることに気付いていなかった。



        ♢♢♢♢



朝の時点でカオスすぎてまともに話できるやつが居なかったけど、瑠璃亜るりあの『燈瑠あかるを一日貸してくれ』発言は意外とガチだったらしい。


と言うのは、別に部屋に連れ込んであれこれするという意味ではなく、『一緒にSWOをやりたい』という意味だったようだが。



燈瑠あかる燈瑠あかるで誘われたのが嬉しかったらしく、目をキラキラさせながら俺に『今日は友達と一緒にやっていい!?』って聞いてくるもんだから、俺も喜んで了承した。


というか、わざわざ俺に許可もらわなくていいんだけどね。



しかし……うーん、そうか。

今日は燈瑠あかるは他の友人とSWOやるのか……。


まぁ燈瑠あかるも俺とばかりプレイするんじゃなくて、他の人とも攻略してみた方が知見も広がるというものだ。



…………ちょっと寂しいと思っているのは内緒だ。



まぁそんなこと言っても仕方がない。


とりあえず、『センコウ』のスキルを鍛えつつ、自分用の武器と『ミツキ』用の防具やなんかも作っておくか。と言ってもそれも結構早く終わるし……



よし、タイミングは丁度いい・・・・し、久々に『イザヨイ』でログインして素材集めでもしようか。


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