第14話.少女の日常。

あれから三週間?もっと経った。

少女は部屋にずっといる。

イヤホンを耳につけ、音楽を聴く。

髪の毛は長くなり、腰あたりまである。

メガネをしている。

遠くを、虚無をぼんやりと眺めている。

部屋は薄暗く、モニターの明かりがぼんやりと、あたりを照らす。


世界はプログラムだったシュミレーションとかではなくただただプログラム

宇宙の外は電子の世界だったそれだけのこと。

そんな世界で、少女、白機しらき あおいはバグを倒す。

仲間と共に、少女の作り出した、機械を使って。


葵はベットの上から立ち上がり、机の上の腕輪を手に持つ。

肉体電子接続機コネクトギア

葵の作り出した機械、世界と人をつなぐ機械だ。

プランカルキュールver2型。

そう呼んでいる物だ。

中心となる、思考を読み取り、場合によっては書き換える。

その機械を、これまでの物より、強化した、そして思考を増幅させる機構を搭載。

これにより、これまで以上の自由度。

だが、それは今は使えない。

葵は使うことができない。

頭が痛くなる、気持ち悪い、頭の中がかき回される、内臓の内側を針でつつかれる、そんな気分になるのだ。

葵にとって、自分の開発した、この肉体電子接続機コネクトギアと言う物は、悪魔、ゴキブリだとか、道に倒れる、猫の死体のような触りがたい物なのだ。

ギアを机の隅に投げすて、横の小瓶を掴む。

精神安定剤。

これが無いと、何も考えれない。

どちらかと言うと、考えすぎて、頭の中の整理がつかない、それが正しい。

葵が薬を飲んだすぐ位に、扉が開く。

「葵――――やほ―――」

そう元気な声で、扉を開けたのは、桜だ。

桜は手に、弁当箱を下げている。

後ろには、イロが控えている。

「おはようございます」

葵はそう言い、顔をひょっこり出す。

「おはよう、」

葵は少し、元気なく言う。

桜は部屋の電気をつけ、手に下げた弁当箱を、ベット横のソファーテーブルに置く。

弁当をあけると色とりどりの色んなおかずが見える。

「今日は葵は物をたべれる?」

そう、桜が聞く。

「少しだけ、多分」

そう葵は呟く。

葵はおかずを箸でつかみ、口に運ぶ。

「おいしい?」

そう桜が聞く。

「うん、」

葵はうなずく。

イロはそれを聞くと、本に目を移し、読み始める。

桜は弁当をつまみ始める。

最近の日常だ。

~~~続く~~~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る