第8話 誘拐&勧誘

2031年 6月9日

あの駅の一見から3週間が過ぎようとしていた。

あの後もバグは出現しつづけた。

今は桜、イロが前に出て葵は火力で敵を一層するという形式を取っている。

そんな、安定した戦闘を続けていたある日のこと、


「桜!右気を付けて!!」

そう葵は無線で言う。

桜は葵の居るビルから3キロメートルほど離れたところでバグと交戦している。

今回のバグは今まで見たことのないような人型だった。

「姉貴きをつけて!」

そうイロは桜に言う。

桜の横には体を大きく広げた雑魚のバグ集団がいた。

桜は持っている武器である刀を空へ投げ手を前で重ねガードする。

すると大きな盾のような、よくゲームやアニメで見るガードに近い感じの半透明なものが出てくる。

桜を囮に雑魚のバグが1か所に集まってくる。

遠くのビルに居た葵は構えたスナイパーライフルのような物の引き金を引く。

ドン

轟音がとどろき、大きな銃弾が桜のもとに行き当たる。

桜を囲っていたバグは衝撃ですべてが消滅した。

丁度投げた刀が桜の手元まで帰ってきたので桜はつかんで、残った巨大なバグを蹴散らすことにした。

刀を思いっきり振りかぶり大きなバグを切ろうとするその時、

バグはその大きな手を使い桜をつかむ

「クソ、全然抜け出せない!」

つかまれた桜はそうつぶやく。

別の箇所を攻撃していた、イロが走って近づく。

桜は大きなバグに持ち上げられており高い位置にいる。

イロは足に出力を集中させて大きく飛び上がり大斧のスラスターを起動する。

周りがスラスターの熱で熱くなり視界が歪む。

すごい勢いの斧がバグの手を手首の部分で切り落とす。

その切り傷に向かって、葵が一発二発と先ほどの弾薬を打ちつける。

そのパワーにバグの手は粉々に粉砕される

「粉砕、玉砕、大喝采」

そう葵は呟き、スナイパーライフルを、葵の視界に映るターミナル、コンソールを操作し圧縮、回収する。

圧縮して小さくなったライフルを収納し、足に力を入れ、軽く中腰になる。

すると背中から、ミサイルが一つ出てくる。

「こういう武装一度作ってみたくてね!!」

そう言い葵はミサイルを発射する。

ミサイルはビルの隙間を縫って飛んで行き、バグの脳天に直撃、バグは消滅した。

葵は走って桜達の元へ行き、イロに桜に話しかける

「どう?大分私も今の戦闘スタイルになれてきましたよ?」

そう言うとあきれた顔で桜が言う

「いいんだけど、さっきのミサイル何?ガードしてなかったらもろ直撃して、ミサイルの先端とキスしてしまうは!!」

そう怒った口調で桜は言う。

というのもバグに直撃し爆発したミサイルの破片が桜に飛んできていたのだ。

「姉貴さん、その表現いいですね」

そうイロが笑いながら言う。

「てか、何その姉貴呼び、前まで桜って呼んでくれてたじゃん!」

「それに関しては、仕方がありません。あなたの名前を呼んだらおしまいなので」

「どうゆうことよ?」

そう桜が質問した、その時。

ドン、ドン、ドン

三発の銃声がしたと思ったら。

三人は意識が遠くなり倒れる。

葵の視界に最後に映ったのは黒背景に白文字で書かれた tAsk kIllの文字だった


ビー

葵の耳に電子音が聞こえる

ピポ

また聞こえる

視界にはメモリチェックの文字。

少しして変わり強制終了しました、Plan Calculusを再構成中と書かれている

アスキーアートの要領で作られたプログレスバーがゆっくりと左から右へと移動する。

完全に右に行くといきなり見えていた文字などが変わり、視界に大量の文字列が表示され、下の方にギア強制解除:成功(注.現在オフラインのためギアは使用できません)

と書かれた文字があった

視界が通常に戻り周りが見えてくる。

「グ、ハー」

葵は一気に酸素を吸い込み目が覚める。

右を見ても左を見てもコンクリ打ちの壁。

床もコンクリ。

葵はその中心で椅子に縛り付けられていた。

目の前に何も乗っていない机がある。

葵が状況をのめないで居ると、目の前のコンクリが人が入れるくらいの大きさの穴ができ、人が入ってくる。

入って来たのは女性。

綺麗に手入れされた白い髪を肩下15センチくらいで切り揃えている。

その顔は綺麗で人形のよう、だがそれを崩すかのように鋭い眼光がこちらを見ている。

服装はシャツの上に茶色ブレザーを着ていて青寄りの緑をしたネクタイをしっかり絞めている

何より目を引くのはその身にまとった白衣だろう。

女性は目の前にあったテーブルにもたれ掛かり、口を開く。

「どうも、葵さん。私は陸上自衛隊電子災害対策課で、研究者をやっている阿野岩あのいわ  志桜里しおりです。以後お見知りおきを」

そう言った。

志桜里と名乗った女性の声は少し高めだが、抑揚がなくかわいげのある声ではない。

彼女は葵の反応を待たずに話を続ける。

「あなたの左手のそれ私達にお譲りください」

「それは無理だね、そもそも人をこんな寒い場所に入れて頼み事なんて、教養が無さ過ぎるんじゃ無いかな?」

そう葵が言う。

すると志桜里は少し目を閉じた後ため息を着き話を続ける。

「では、貴方は国に許可も取らず、公共の場所で強い電波を放つのは教養がある行為なのですね?」

そう言う

ギアは家にあるコンピューターと無線で接続されている。

多分彼女はその電波のことを言っているのだろう。

「確かに、私の作ったギアは技適警察非対応ですが、私は結構貢献してると思いますよ」

「公共のレジャープール半壊、街中で爆発物を使用、小麦粉だかで街にあるビルを真っ白に」

「グ」

葵がやったことをつらつらと並べている。

「確かに、それはいけないことですね」

葵は一歩身を引いた

彼女は葵に顔を近づけもう一度言う。

「ギアを私たちにください」

葵はいきなり目の前に来た顔に驚きつつ、こう言う。

「NO」

「なぜですか?」

「簡単なこと、私じゃないと、ギアは起動しないし、プログラムをいじるのは独自のコンパイラが必要なの!!」

そう葵が言うと彼女は体を戻し、ため息を着き言う

「そういうことですか、でしたら貴方ウチで働きなさい」

「は?」


~~~続く~~~








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