第3話.説明、動き出す者

「アレは、何?」

私は部屋で正座させられている。

桜がすごい剣幕で私を怒鳴る。

アレ、と言うのはおそらくイロと肉体電子接続機コネクトギアのことだろう。

「経済学部の方に理解出来るかなと、思いまして」

「電子工学ヲタクじゃ文系は無理かしら?」

「本は読んでます」

「ラノベでしょ?」

「ラノベも立派な文学作品ですよ?」

ゴン、頭に鈍い痛みが来る

「あんたら落ち着きなさい」

染鞠だった

珍しく強い口調で怒る。

「まぁ、とにかく、説明してよね。」

そう桜が言う。

私は渋々説明を始めた

「まずは、この腕輪について、これは、肉体電子接続機コネクトギアと言うんです。」

私はギアを見せながら行った。ギアは三個のLEDが付いている。これは状況に応じて、光り方が変わる。今は青いランプが一つ付いている、これは正常をあらわしている。

「二人は、この世界について、学校で聞いたりした?」

「中校の時に、公民で、」

公民なんだ、

「え?学校で聞いた?私の時は特に触れられなかったな〜」

そう染鞠がいう。

時代を感じる。

「これは、この世界に繋いだコンピューターと人を繋ぐ機械なんだ」

「なんか凄いね」

そう言いながら、桜は少し引いていた。

「でもなんでそんな物を?」

そう染鞠が私に問いかけた。

「バグを倒すため」

「倒すためなら、銃とかの方がよくない?」

「確かに銃でも時間を掛ければ倒せる、でもコレなら、一、二発で倒せるんだ、」

染鞠は納得したのか、少し肩の力が抜けた様子だ、

「んじゃぁ、あれは?」

桜が指す先にはイロがいた。

「イロはお手伝い、」

「違う違う、なんで、プログラム!うちの商品が!ここにいるの!」

「ギア、で具現化しました」

「あね?」

ギアという都合の良いものを知ったせいか、桜は3秒で理解した。

イロはずーと蚊帳の外でポカンとしていた。


日本のどこか、

軍事施設に一人の女性がいた。

長い髪、凛々しい顔立ち。誰が見ても美人さんだ

「指揮官、こちらを、」

静かで透き通る声で誰かが女性に言う

渡したものは、住民票の写し

名前の欄に見覚えのある名前、白機しらきあおいの文字

「この少女が、例のバグ倒し」

「はい」

「今すぐ調査し、確保しろ」

そう女性が言う

この施設は陸上自衛隊、電子災害対策課本部。

平たく言えば、バグ対策室

バグが出た時、汚染区域の発生などの情報を流している場所でもある。

「これで次にコマを進める」

そう女性が言う。

〜〜〜続く〜〜〜

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