第7話 届かない腕

叶うならば

あたしのこの両の腕で

きみを包み込みたい


きみの心を満たすことは

たぶん

あたしにはできないのだけれど


それでも


それでも



あたしのぬくもりで

きみを包めたらと

そう思ってしまう



ねえ、月が満ちたよ

あの夜のように


きっと何処かで

きみもこの月を見ているはずだよね




届かない腕

届かないぬくもり


それでも、あたしは


心の中で

きみに向けて

腕を伸ばしている


伸ばし続けている



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