第6話 この世界の何を見ても

きみが好き


好きで

好きで

たまらない




秋風が運ぶ木の葉たち

金木犀の香り

手が届きそうなくらいに

大きく輝く十六夜の月

朝陽に染まる雲


街に流れる恋の歌



この世界の

何を見ても

何を聴いても

何を感じとっても

一番にきみのことを想う

あたしは



きみが好きで

きみが好きで


あの夏からずっと

きみに囚われたままでいる




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