事件の終わりは。
―登場人物の口調が変わっているかもしれません申し訳ないです…。
この話だけ第三者視点ではなく、ショーテル視点で書いてしまいました。修正するにもできない状態まで来てしまったので、今回だけは一人称で楽しんでください。
トラが警察署に犯人を連れていき早10分。
「…フティさん…。」
「はい?何でしょうか?」
「いや、もう10分経つので警察に行ったほうがいいのではと思いまして。」
「たしかにそうですね…行きましょう」
10分間、俺は疲れ果てて地下室の隅に丸まっていた。
フティさんはスマホをいじっていたが、ため息を付いて目を閉じていた。
道中、話すこともないので無言でテクテク歩いていき、警察署が見えたところで、フティさんがこう言った。
「もしこの事件が無事に終わりましたら、私も護衛隊に入らせてください。」
いやフラグー!!!
「フティさん…。盛大にフラグを立てるのは良くないかと…。あと、まだスキルをもらっていないですよね??」
「えぇ。ですが…なんとかこう…ショーテルさんのコネで…いけませんか?」
俺をなんだと思っている…。
「いけるわけないでしょ…」
「んえ?行けるお?」
「いや、だから…って…え?」
明らかにフティさんの声じゃない声が聞こえた。
「忘れないで?私だよ!私!!」
オレオレ詐欺みたいだな…
「忘れたわけじゃないっすけど…なんか口調変わりました?」
忘れるはず無い恩人の名前を呼ぶ。
「パーレさん?」
俺の後ろで手を後ろに組みながらいたずらっ子のように笑うパーレさんが居た。
「口調が変わったのはこの世界の
あるじ…?なんだそりゃ?俺が考えている間にフティさんがパーレさんに言う。
「あの!!護衛隊に入れるっていいましたよね!?本当ですか!?」
「ホントだよ〜まぁ、試験をクリアしないといけないけどね」
試験?俺のときはなかったけど…スカウトされたからなかっただけだよな。
「試験…どんなものが出るかはわかんないですけどとにかく頑張ります!もし受からなくても宣伝だけはできますので…」
あははと苦笑しながらフティさんは警察署に向かおうと歩んでいく。それに続くように俺とパーレさんも歩きだす。
3分ほど歩くと少しだけ開けた広場がある。そこでは6,7歳くらいの子どもたち数人が追いかけっこをして遊んでいた。
それを見守るように建っている大きな警察署は母のような優しい雰囲気が感じ取れる。
「なんだか…警察署って感じがしないですね…」
ぽかーんと見上げながらフティさんが言うと、パーレさんも
「確かに…警察署特有の緊張感がないよね。」
と、言う。
確かにここの警察署は他のところにはない、独特の雰囲気がある。改めて見ると「警察署」というには不気味なほどに優しい感じがする。
それは子どもたちを安心させるためなのか、はたまた別の目的のためなのか。考えていても先に進まない。今は足を進めよう。
俺が歩くとぽかーんとしていた2人がハッとして慌ててついてくる。
警察署の中に入る。最初に出迎えたのは…
「お疲れ〜…ってパーレさん!?なんで!?」
トラだった。子犬のように俺の周りをぐるぐると周るとパーレさんの前に行く。
「ん〜…偽物…じゃないか。」
「偽物なわけ無いでしょ!?」
「そりゃそっか」
にひひと笑うと俺の方を向いて、
「あいつは取調室に居るってよ。見に行くか?」
俺の答えは一つだ。
「あぁ。勿論だ。」
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