不法侵入禁止!!!!

2人はパーレに注目する。何故こうなったか、事の発端は数秒前のトラの言葉である。


「そーいやパーレさんは護衛隊に入っているんですか?」

「…あー私は最高級スキルだから…あと戦闘向いてないし…。」

そう言い、目をそらす。

その時、ピロリン♪

静かな部屋に似合わない通知音がなる。

「ふえ…え…!!」

マヌケな声を出して目を見開くパーレ。可愛いかよ。

「み、見てみて!!初仕事だよ!!」

「は、え、護衛隊のですか…??」

「おー!あ、誰か来る。」


トラはそう言うと玄関の方を見る。

残された2人は先程騙されたので、「どうせ嘘だろう」と高をくくって初仕事を喜んでいた。

「5」

「パーレさんって護衛隊の宣伝ってどうしてるんですか?」

「4」

「粒子化を使って宣伝したよ〜」

「3」

「え、粒子化で??」

「2」

「一回粒子化を使って、風に流されるの。」

「1」

「そうしたらあとは簡単。色んなところに行って、大声で宣伝しただけだよ」

「0」

「へーすごい」

「でsy」


バタン!!


勢いよく扉が開かれる音がした。

「え、なに。不法侵入じゃね?」

ショーテルは冷静だ。

一方のパーレは…

「きゃぁぁ!なになに!?わぁぁぁぁ」

と言いながら粒子化で何処かに行ってしまった。

恐らくだがパーレが護衛隊に入らないのはスキルではなく、ただ単に怖がりで、すぐに逃げ出してしまうからであろう。


「たす…けて…追われてる…」

扉の音に反して小柄な少女が息を切らしながら言った。

2人はポカーンと口を開けたあと、

「おい。トラ。お前のスキルでこいつがなんで来たのかわかるか?」

「いや、わかるわけないっしょ。そもそも僕のスキルは…」

言い争いを始めた。

「あの!!護衛隊に依頼しました…」

2人は言い争いをやめて少女に注目した。


思った以上に大きい声が出たのか、自分でもびっくりしながら少女は言う。

「助けて…。」

「あー…とりあえず俺のスキルが発動する『地下室』まで行こうか。」

「ショーテルのスキルの発動条件って何なの?」

「俺の予想だけど岩に囲まれているところが発動条件だと思う。俺の家の地下室でも発動したからほとんど合ってると思うけど。」

「ふーん…」


地下室は岩に囲まれ、様々の物が乱雑に置かれている。だが、不思議と散らかっている感じはなく、過ごしやすいところだ。

「んで、俺の家に不法侵入して来たことに対してなにか言うことは?」

「あっ…急いでいたとはいえはしたないことをしてしまいました…申し訳ございません…。」

「ふーん…ちびっこのくせに言葉はしっかりしているんだなぁ…君、何歳?」


「19歳です。」


ショーテルは驚いた顔で言う。

「は、?年齢偽ってるよな。それ。流石に俺は騙されないぞ。」

「いえ、偽ってなどございません。ですが…証拠がないので疑われられてもおかしくないですよね…」

下を向いてすこし考える。いい案が出なかったのか「はぁ…」と息をついて顔を上げる。

「まぁ、年齢なんてどうだっていいでしょ。先に追われているところから始めないと。ってかパーレさん遅いな。」

「私がなぜ追われているのかを手短に話します。やつが来る前に…」

「やつ…?」

「あ、静かにしろ。誰か来る。」


トラの言っていることは正しいのか。真偽は不明だが2人は黙る。

パーレの居場所もわからないまま時が流れる。

ガチャッ

玄関のドアが開かれる音がする。

ショーテルはこのとき思ったことは…


(あー!!!どいつもこいつも不法侵入しやがって!もう不法侵入禁止の看板でも建てようかなぁ〜!!?)


だそうだ。

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