底辺スキル護衛隊誕生!!

ショーテルは近所の人で噂になっていた。

みんな口を開けば

『あそこの双子、妹は優秀だけどお兄さんはねぇ…。』

『双子ちゃん、お兄さんは採掘者をひいたらしいわよ。不運な子ねぇ。』

そんな噂を聞きつけたショーテルの友達はしつこく聞いたらしい。

『お前「採掘者」ひいたのか!?』

『妹は「勇者」って本当か!?』

何も答えずに頷くと

『マジか…。お前には失望した。』

『双子なのにこんなに違うんだな。』

そういって離れていく。


だけど希望の光もあった。

1人の少女が扉の前にいた。

暗い青色の髪の毛を右側にまとめていた。

タレ目で青い目をしている。

質素な白いワンピースを着ている、人のいい少女だ。

「貴方が『採掘師』をひいたショーテルさん?」


妹が居なくなった生活は苦しかったのか、それとも周りの人からスキルをバカにされて、失望されて疲れたのか、キレイだったエメラルドグリーンの瞳はくすんでいた。

光も映さなくなり、5歳老けたのか、というくらいやつれていた。

「あぁ、それがなんだ?俺をバカにしに来たのか?それは結構。わざわざ足をお運びいただいて光栄です。」


性格も変わり、元々ネガティブ思考だったのが、更にひどくなり、若いながらも完全にダメ人間になってしまっていた。なんでも皮肉じみた事を言うようになっていた。

「え、えっと…貴方にちゃんとした道を用意したくて…。」

ショーテルは思った。こんな俺にも道を選ばせてくれる人がいるんだな。と、

「はぁ…。」

「底辺スキルの人を集めて、おえらいさんを護衛するっていう仕事をやろうと思って…。それで貴方をリーダーにしたくて。」


この俺に?ショーテルは思う。向いてない。協調性なんて持ち合わせていない。断ろう。

そう思っていた。だけど口からでたのは

「…わかった。協力しよう。」

少女の表情がパッと明るくなる。

ショーテルの表情が暗くなる。

「じゃぁ…!底辺スキル護衛隊、誕生です!!」

少女の名前はわからない。

謎多き少女はスキル『粒子化』で消えてしまった。

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