壁を越えて①

あの大きなドラゴンの様なアライフの生態を探り初めてから早1週間。

初めてお目にかかった日は結局暗くなり始めるまで寝たままだったので、とりあえず1度ネストに戻る事にした。たくさん集めたゲノムもあった事だしね。


新しい種類のゲノムが多く回収出来ていた事で、またさらに多くの武器やパーツがジェネレート出来る様になったし、ブラウザの検索範囲も広がったようだ。


残念ながらあのドラゴンの情報も、ドラゴンの後ろに見えたショッピングモールの情報もヒットしなかった。ただ、夜行性のアライフに関しては名前も生態もハッキリした。これは夜間の移動も問題無さそうだ。


もちろんスペアのSAの腕もジェネレートしたし、メインのSAの細かな破損も修理してまだ余るほどゲノムが手に入っていた。


という事で次の日から早速ドラゴンの生態調査に乗り出した訳だ。絶対ショッピングモールは諦めないぞー。





ドラゴンの生態を調べて3週間経った。自分でも思うが、ボクはかなりの慎重派の様だ。


3週間調べ続けてみると色々な事が分かった。


おそらくあのショッピングモールの駐車場、それもあの場所がドラゴンのネストの様だ。決まってあそこで休む。

ドラゴンはかなり几帳面な性格みたいだ。いつも決まった時間に飛び立って、だいたい同じ時間に戻って来る。それも決まって日に2回。そして2回目に戻って来る時はだいたい夕方。その後何やらこちゃこちゃした後、暗くなるとすぐに寝てしまう。

たぶんこの長時間ネストを空けている間は狩りに行っているんだろう。つまり食事だ。いつも同じぐらいの時間に帰って来る事が出来るという事は、狩りについてはこの周りにこのドラゴンを苦戦させられる様なアライフは居ないんだろう。てことはかなり油断しているに違いない。いやむしろ油断してくれないと困る。


ドラゴンがネストを離れて狩りをしている所も遠くから調査した。


やたらと強いなー……。


この辺のアライフなら数分もかからず食い荒らされる。むしろ反撃して来るアライフもほとんどいない。姿を見たら一目散に逃げ始める。


でもドラゴンの武器はそう多くない。物凄くたくましい2本の足とその爪。そして今まで見たことも無いような獰猛な牙と口。


いや……やばいでしょ……


と言うものの、良く観察してみるとドラゴンの武器は爪と牙。って事はかなりの接近戦でしか威力を発揮出来ない。


これはボクでも行けんじゃね?






さらに2週間が経った。ボクはドラゴンを倒すだの作戦を練りにねって完璧な作戦を立てた。と思う。それに必要な物は全てジェネレートした。全部揃えるにはかなりの時間と労力がかかったなぁ……。大変だった……。

必要なゲノムを集めるために、この周辺をあっち行ったりこっち行ったり……。3週間の生態調査を終えて作戦を練って、そこからさらに2週間だ。これだけがんばったんだ、必ず倒してやるぞー!


作戦に当たり新しい武器もひとつジェネレートした。今回はこいつがメインの武器になるな。名前はNMGLだったかな?とにかく少し大きめのランチャーで、リボルバー式になっているから砲弾を6個入れる事が出来る。これ専用の起爆榴弾をセットして目標に着弾。少し時間をおいてから爆発、という具合。連射が出来ない上に反動が大きくて狙撃の制度が落ちるけど、威力はバツグン。あの大きな標的ならまず外れないでしょ。


その他には主に設置型の武器をジェネレートした。それもたくさん。


後はこれを作戦通りの場所に設置したら戦闘開始だ。

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