巣立ち②

二つのハンガーに二つのSA。SAは二つのとも全く同じの姿。今は性能も全く同じなんだろう。

大きさは結構小柄。体型も細身だな。これはたぶんボクの体に近く作ったんだろう。前にお父さんが、SAは自分の体に近い方がコンバートした時の体の使用感が変わらなくていいって言ってたっけ。そう言やお母さんのSAも巨乳じゃ無かったな。

とは言っても、もう少し顔はイケメンに作ってくれても良かったのに。


まぁSAはほぼ素の状態だな。後で片方だけカスタマイズしよう。


次はジェネレーターだな。


ハンガーのすぐ横にジェネレーターがふたつ。


ジェネレーターは小さな操作パネルと、そのすぐそばに少し大きめな四角い枠の事。この枠の中にジェネレーターから出力されたレシピ通りのパーツやアライフをジェネレートする。まぁつまりなんでも作る機械って事。


操作パネルを見てみる。


あー、やっぱり。ジェネレーターにはお父さんとお母さんのNサーバーデータは入ってないんだ。Nサーバー階層が一番下になってる。これじゃ簡単な物しかジェネレート出来ないや。がんばってゲノム集めないと。


Nサーバーはたくさんの種類のゲノムを登録する毎に階層が上がっていくシステム。もちろん階層が上がればそれだけ強いパーツや武器、複雑なアライフをジェネレート出来るようになる。とりあえず今はいいや。後で考えよ。


さて……と、まずは何からジェネレートしよう?


ジェネレーター内のレシピをスクロールする。


おっと、それより今あるゲノムの種類と数はどれぐらいなんだ?


ジェネレーターから伸びるコードを辿る。その先にはゲノムを保管しておくタンクがある。

ボックスの操作パネルを開く。


思ったよりたくさんあったな。これはたぶん……お父さんとお母さんのSAを解体したゲノムかな……。涙はもう出てこなくていいって。


とりあえずこれなら必要な物は揃いそうだ。


まずは食料確保のために虫集めのアライフ。3体も作ればいいか。で、集めた虫をカロリーバーにして、残骸を外に廃棄するツールも作らないと。特に残骸の廃棄が重要。


ジェネレーターを起動。ふたつのジェネレーターでアライフ3体とカロリーバーを製造するツールを並行してジェネレートする。


チキチキチキチキチキチキ………………


ジェネレート特有の音が響く。簡素なボックスの内壁から青い光が行く筋も中心に向かって飛び交う。その光の先にほんの少しずつ金属が生成されて行く。それが下から上へ、少しずつ、少しずつ積木のように積み重なっていく。

何となくこの様子はぼーっと眺めてられるな。


あ、いや、今はハマらないでおこう。他にもやる事あるし。


その間にSAのパーツと武器のレシピを見てみる。


どうしよっかな?

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