第8話

カリンはどこかに旅立った。

もちろん居場所は誰にも告げずに、、、


公爵と話をすることにした。



「一つ聞きたい。カノンの体のアザは?」



「体のアザを見せたのですか?あれほど見せるなと言ったのにな。

しつけですよ。カノンはできが悪くてね。

兄はなんでも完璧にできるのに、カノンは難しかった。

だから、しつけをしただけですよ。

公爵家のみんなが、あの子には素晴らしい子になって欲しいと思ったから、みんなで教育しましたよ。」


自信満々で、言ったか公爵だった。



「教育、、、虐待じゃないのか?」



「別名、虐待かもしれませんね。

出来損ないのカノンが悪い。

できたらいいだけ。

それに皇太子にも、役に立たないから、プリンス様を手元に置いた。違いますか?」



公爵の話を聞いて、わたしはショックだった。

いつも笑ってわたしを支えてくれていたのに、、、





「カノンは死んだよ。」


「何故ですか?」


「出産をする時に、子供と共に亡くなったよ。」



「出産?子供をもうけていたのですね。

もうこの世にいないのですね。

子供まで亡くなったのですか。最後まで役に立たなかったな。自分だけが犠牲になれば良かったのに。はあ、、、」


そんな公爵だと思わなかった。

本当に自分は何を見ていたのだろう?

皇太子という器ではないな。


その後、皇太子は、職を辞した。








カノンは、隣国の小さな村で、

何もとらわれず、イキイキしていた。

小さな双子の子がそばにいた。


「ママ!好きっ」


「僕も好き」


可愛いわたしの子。こんな幸せになれると思わなかった。


「さぁ。今日はあなたたちの好きなハンバーグに。」


「やった!!パパも早く帰ってくるといいね。」



「今日は早いと言ってたから。」

カノンは、幸せそうな顔で過ごしいた。

あの時とは考えられないほど幸せだった。



「パパ!!」


「おかえりなさい。」


「ただいま。カノン。今日はハンバーグが食べたい。」


「そー思ったのよ。用意してあるわ。」


「いつも可愛いカノン。ありがとう。」


優しい声の旦那様。幸せいっぱいで応えた。


「ありがとう。#コンフィール__・__#」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る