第7話

「カノン様。これからどうされますか?」


「先生。実は、ここについたときに、もう思い出していたの。

一時的の混乱だったのね。なぜ私は生きることができたの?

いや死ななかったのかしら?

これも神様の意地悪なのかしら?」


「神様がやっと幸せをくれたのですよ。あなたのしたいようにすればいい。」




そうか。私に自由をね。



「先生。隣国に私がお世話になるところはありませんか?」


「あるよ」


「お願いできませんか?私はもうここには居たくない。」


「コンフィール様は、一緒にいてくそうですよ。プリンス様よりカノン様だと思うけど、、」


「ん、、、私はもういいかな。疲れたかな。コンフィール様のことお慕いはしています。でも、もう一度やり直す気は今は考えられないわ。」


「では、手配をしておきます。コンフィール様には、どのように?」


「直接話すわ。離婚届にサインをしてもらわないといけないから。一人で大丈夫よ。」


「わかりました。」


そのあと先生は、帰って、私一人で考えた。


どんなに考えても、私はここに残ることはない。もう飛び立ちたい。



と考えていたら、

「お待たせ。」

コンフィールがきた。


「一人?」


「先生には帰ってもらったわ。もう大丈夫だから、」


「皇太子殿下。私は、もうここにいられません。記憶は全て思い出しました。」


「怒ってるよね?」


「それがあなたには何も感情が湧かないの。

怒りの感情だけでなく、愛しい感情もないの。 

これから先、あなたと一緒にいる意味もないし、一緒にいても笑えないと思うの。

だから離婚してください。 

それが無理なら、私をあのまま死んだことにしてください。

子供が流産で、私も一緒に死んだことに、、、」


嘘をついた。本当は好きでたまらない。

あんな仕打ちをされてもやっぱり好き。その気持ちは消えない。でも、、

ここでの生活はもう無理だし、一緒にいることはできない。


「どーやって暮らすの?」


「この国を出るから、なんとでもやっていけるわ。 

もう二度とこの国は帰らない。だからあなたは気にしなくていいから、プリンス様とお幸せに、、、

迷惑かけてごめんなさい。」



「俺たちはやり直すことはできないか?」


「今は考えられないわ。

一緒にいてもあなたが辛いだけよ。

そんな二人は一緒にいない方がいい。

プリンス様とお幸せに、、、」


「ごめん。俺のせいで、俺が君をきちんとみていたら、よかったのに。」

頭を下げる、、、


「でも、あなたは、私を見れなかったのよ。私のことを嫌っていたんだから仕方ないわ。



今は、同情の気持ちが大きいだけ。

私がいなくなったら忘れるよ。

あなたの中のわたしはそんなものよ。」



「、、、、、」


「お元気で。」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る