第2話

部屋で、一人、必要なものを準備した。


私が愛用していたガラスのペンだけ。


そのまま、荷物を置いて、別邸に住んだ。

別邸は、花が綺麗だった。そこで、私はすごそう。一人で。


毒になる花が、あるのは私だけしか知らなかった。

花の蜜を飲み、死のうと思う。

それが一番幸せなのよ。


せめて本当に愛されて、家族になり、#子供を産みたかった__・__#な。

でもそれも叶わなかったな。

わたしの夢は3ヶ月で、壊れてしまった。




皇太子妃なら、数名の侍女がつくのだけど、カリンは、つけなかった。

ただ一人、部屋の世話かがりに、耳が聞こえない女の子だけを連れて行った。

耳が聞こえなければ、話をしなくていい。



毎日、3時間、プリンスに指導した。

一年間、この苦しみが続く。

プリンスと仲良くなるつもりもなく、淡々と進んでいった。


丁寧に指導したら、プリンスは、どんどん吸収した。伯爵令嬢レベルにはなってきた。





「大丈夫よ。あなたは、皇太子に愛されているから、自信を持って、、」


「ありがとうございます。。」




「あの、、、カノン様、、一つ聞いてもよろしいでしょうか?」



「なにかしら?」


「その、その傷は?」


「え?」


その腕の、、、



「あっ、、ごめんなさい。嫌なものを見せてしまったわね。気にしないで、、、」


「いえ、、それは、、、」


「気にしないでね!」


カノンは、少し気温が高かったので、そでを巡っていた。

傷のことを、、、


わざと見せたのだった。

プリンスには知って欲しかった。あなただけでないことを。


プリンスが、皇太子に教えるかわからないけど。





プリンスは、知ってしまった。あの傷は虐待の傷。しかも古い。



皇太子に聞いてみた。



「カノン様の腕に、古傷があるのは知っていましたか?」


「カノンの?知らないな。初夜の時も、気がつかなかったが?」



「もしかして、腕は隠されていましたか?」


「レースのナイトドレスを脱がなかったから知らないな。」



「え?では、カノン様の体を見ていないのですか?」




「ああ。あの時はもう、プリンスのことを愛してたから、カノンのことは義務だったからな。そこまで興味がなかった。」



「カノン様は、あと、少しで終わるから安心してと言われました。

これからどうなるのですか?カノン様とは、お会いしましたか?」



「最近、公務もないからあっていない。」



「だれか、私以外に会った人はいますか?」


「知らないな。」


「別邸は、一人耳の聞こえない女の子がいます。その子以外、人はいませんよ。知っていますか?」



「そんなことないだろ?皇太子妃だぞ?」


皇太子妃が、一人の侍女だけ?ありえない。別邸に興味がないから知らない。


「では、誰がいるのですか?」


「公務の時も綺麗な姿だよ。いつもどおり。」


「本当に?私が会う時は、いつも同じドレスですよ。

公務の時も、同じドレスしか着ていないのではありませんか?

教えていただいている部屋も家具もないから、不思議に思っていたのです。

一度、カノン様の部屋を除いたことがあるのですが、、、何もありません。


ただ、陽が当たっていて、花だけ飾ってありました。」



同じドレス?俺はカノンが、どんなドレス着ていたか?思い出さない。

それだけ興味がなかったのか?

嫌っ。公務と言っても、ほとんど顔合わさなかった。

書類も完璧だったから、言うこともない。

公に出ることも少ない。

カノンとあまり会っていない。


カノンの笑顔も見ていないな。

俺がひどいことをしたから、当然だが、、、


でも、プリンスは、虐待されていて、居場所を作ってあげないといけなかった。

カノンは公爵の娘という居場所がある。


「まぁいい。そんなこと、プリンスが気にしなくていい。」

一言、言って、話を終わらせた。


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