第129話 葛藤 

「おじいちゃん。急に話をしたいってどうしたの?」



俺はおじいちゃんに、話があると言われリビングの椅子に座った。メディアとのメールのやり取りだったり、教頭先生あらため、校長先生と話をしたりで色々と時間が潰れていた。だが、おじいちゃんからの話というのなら、それ以外の物は些細な問題だ。



一度作業する手を止めて、おじいちゃんの話に耳を傾ける。そしておじいちゃんは俺にこんな事を言いだした。



「数日以内に、再び父親と会うことになるが大丈夫か?もし、駄目なら言ってくれ。その時は合わせるつもりはないし、来たとしても追い返す。だが大丈夫なようなら、もう一度話をしてくれないか?」



「どういう事?父さんは俺との話し合いが納得してないってこと?」



「いや。そういうわけじゃない。これは儂から頼んだことなのだ。」



「?」



「叶斗にとって辛いことなのは分かる。それに一度話をしたんだろう?だから解決してるとも思っているはずだ。こういうのも少し申し訳ないのだが、儂は本当に謝ったのか分からないのだ。」



「つまり、父さんが謝罪したのかどうか分からないから、確認をしたいってこと?」



「簡単に言えばそういうことになるな。」



「でもそれってさ、父さんにメリットが多すぎない?だって、俺に恨みを持っていたとしてもおじいちゃんの前でそれを隠して謝ればいいだけなんだよ?」



「あぁもちろん分かってる。だが、儂はある程度嘘をつく人間とついていない人間の事がわかる。それに、そもそもからして怪しかったんだ。」



「怪しい?」



「あぁ。話をした時に援助の話ばかり出てくる。そんな状況なのに、私がアイツのことを本当に許すと思うか?」



「無理だね。おじいちゃんの性格を考えてみれば、先にゴールの話を持ってきたりせずにまずはその過程をしっかりと見せたほうが話を聞いてもらいやすいでしょ。というか父さんは、おじいちゃんの息子なんだから、それくらい知ってるはずなのにな…」



「儂のことをよく知っているな。叶斗が言った通り儂は理屈を並べずに結果だけを重視するような奴らは嫌いだ。そして叶斗の言ったとおりだ。儂はゴールの話ではなく過程を重視する。まぁ結果論という話もあるがな。」



「結果がよければ全て良しっていうわけじゃないと思うよ。…ふぅ。」



俺は少し悩んだ後、1つの答えを出した。それは再び父さんに会うというものだった。



「おじいちゃん。俺は父さんに会うよ。」



「わかった。途中でも嫌になったら言ってくれ。そのときはすぐに外に出させるから。」



おじいちゃんは本気だ。多分今は葛藤の中にいるのだろう。『本当に大丈夫なんだろうか?』とか『信用しても良いのだろうか…』とかそんな考えが頭の中を巡っているに違いない。



もちろんそれを判断するのは、おじいちゃんであり俺ではない。だけど、おじいちゃんの事を手助けして挙げることは出来る。



まずは俺に出来ることを自分なりに頑張る必要がありそうだ。メディアの件をはじめ、様々な物に対応しなければいけないが、これは未来への必要経費だ。



今頑張れば、後で楽になれる。父さんと会うのもこれで最後だと思えば、何も問題はない。おじいちゃんから、来ると伝えられたらすぐにでも父さんと話をできるように、話したいことをまとめておこう。










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当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです


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10~




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