第124話 黒瀬(子)視点

結局俺は、あいつと話し合う道を選択し、賢く生き延びることに成功した。あのまま再起することが不可能になるまで、完膚なきまでに叩き潰されるのかと思っていたが、どうも違うようだ。あいつは俺に対してあまり良くは思っていないが、過剰なまでに制裁をするつもりはないらしい。



俺はそれがわかった時点で、これ以上被害を受けることはないだろうと確信していた。具体的にはあいつが家に来ると言った段階で、俺はもう被害を受けることはないと考えていた。



もっとも皮を被っている可能性も無きにしもあらずと言った所で、もしかしたらもっとひどいことをされていたかもしれないが、結局どうにかなっていた可能性が高い。



最終的に俺は、自分自身が問題なく生活することが出来るのであれば何も問題はない。例え父親がマスコミに今までのことを晒されようと、なにも心には響かない。



父親の部屋で話している内容を俺が聞くことは叶わなかったものの、大体話している内容は予想がつく。まずは会社のことだ。ここまで来て会社の話を聞かないわけがないだろう。



ついでに俺が父親のことを潰してくれ。と頼んである。もしあいつがその事を考えていたら確実に聞いてくれるだろう。



他にも家族関係も捨てがたい。家族関係の把握はやはり重要で、時には他の何よりも危険な刃になる。例えば父親と俺の関係が良好であるのなら、あいつは違和感を覚えるだろう。



息子は父親のことを潰してくれと言うが、父親は関係は良好だという。この2つは対比することが出来るだろう。



「あいつがどう考えてるかだな…今まではなんというか単調だったのに、急に分からなくなった。」



あいつが何を考えているのかが分からない。例えば少し昔の時の俺のように、大体こうなるだろうな…と予測しながら、俺や父親に接触してきたのかもしれない。そうなれば俺が次に取るべきものは、予想がつきにくいものにしなければいけない。



相手に動揺を与え、隙を作る。そしてその隙を突破する以外には俺が生き残る方法はない。



このまま良好な関係を持つことは限りなく不可能だ。なぜならあいつが、俺の心にある感情に気づいた時点で今までのような関係が一転し、昔の俺とあいつのような関係になってしまうからだ。



あいつが何を考えているのかは今は分からない。そもそも次にどうするべきなのかも俺はよく分かっていない。ここは一度冷静になって考えないといけないだろう。



父親の記者会見に始まり、自宅への取材…色々な物に妨害を受けることが予想されるし、なんなら父親自身にも何かしら妨害される可能性がある。



相手の正体がわずかばかりに分かった所で、一度話し少しでも親密になった相手には何かを話しているかもしれない。その内容次第だが、俺が一気に不利な状況に持ち込まれてしまうかもしれない。



切り抜けることは限りなく難しいし、うまくいくかもわからない。それにそもそも話をすることが出来るかもわからない。



もし、俺が上手いこと話を進めることが出来なければ…待っているのは父親と一緒には滅をするだけの未来だ。そんな未来だけは回避しなければいけない。












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当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです


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10~




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