第123話 黒瀬父視点
「行ってしまったか…」
俺は1人部屋の中でため息を付いた。私の元を訪ねてきてくれた彼は、なにかしら私から話を聞きたかったようで些細な情報も聞いてきた。
その情報の中にはもちろん私の会社の話もあったが、それ以外にも家族との関係を聞いてきたりした。家族との関係を聞かれた時は正直びっくりした。なぜなら、そんな情報を知って何になるんだ?と誰もが想像するからだ。
一応息子はいるものの、あれは俺の劣化コピーと言っても過言ではない。嘘を平気でつくことが出来る所も、大事な所でしっかりと冷静に話をすることが出来ない点も、何もかもが俺の鏡写しだ。
と言ってもあいつをそういうふうにしてしまったのは俺自身にも、少なからず問題があったのだろう。俺に問題がなければ、あいつは俺の事を真似るようなことにはならなかったのかもしれない。
「…これからどうしろと言うんだ。俺にはあいつに合わせる顔がない。」
しかしこのまま放置するわけにもいかない。俺だって、また会見の場に立たなければいけないからだ。ずっとこうして引きこもっていることは出来ない。いずれ話をしなければいけなくなるときも来るだろう。
「あいつとの関係をどうにかして再構築するのが良いのか…それとも、俺があいつに関われないような距離を置いたほうが良いのか…」
今までの言動を考えてみれば、あいつは俺の事をきっと恨んでいるだろう。もしかしたらこの機を好機と見て、何かをしてくるかもしれない。
そう考えれば今からでも関係を改善したほうが良いのかもしれない…
だが俺のまだ僅かに残っているプライドがそれを邪魔した。息子に対して謝罪をするなんて、親としてのプライドが許せなかった。間違ったことをすれば謝罪をするというのは、昔から心がけてきたことだったのに…
結局俺は今日の内に結論づけることができずに、1日を終えてしまった。
深夜…俺はふと目が覚めて起き上がった。
しかし何も周囲にはない。自分の部屋はゴミが散らかっているだけで、後は最低限のものしか無い。例えば今ここにしいてある布団等だ。これ以外には目立ったものは置いていない。
「なんだ…なにかあったのかと思ったじゃないか。」
俺はどうして目が覚めたのかは分からなかったが、再び眠気がやって来てそのまま眠りについてしまった。
眠りについた後、俺はよくわからない夢を見ていた。これがいわゆる悪夢というものなのだろうか?
夢の内容としては、明日に行われる予定の会見でほとんどの人が知らない内容なのにも関わらずその内容をマスコミから追求されるというものだった。
これが夢だという事が分かっていても、とても気分が悪い夢だった。目が覚めていくにつれてその夢も幻のように消えていってしまったが不快感だけは残っている。それにどうしてそんな内容の夢を見たのかも疑問だ。
明日の会見に対して、なにか自分の中で忌避感でも有るのだろうか?もしそんな状況になってしまったら…今度こそ俺はおしまいだ。
それに段々と夢から覚め、朝を迎えた現実へと戻ってきた俺の頭には先程の質問の内容が頭の中をずっと駆け巡っていた。
その質問を誰がしたのか…これは突き止めておかないといけないだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※以前より告知していたリメイクverの作品を投稿しました‼
こちらのリンクから飛べるので是非見ていってくださいね‼
https://kakuyomu.jp/works/16817330668061640796
お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
10~
新規小説です‼よかったら見ていってくださいね‼
https://kakuyomu.jp/works/16817330668848444155/episodes/16817330668861468769
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます