第81話 いい加減に…
俺が少しあっけにとられていると、彼はこっちに向けて段々と歩きだしてきた。その手に凶器を持っているというわけではないものの彼が纏っている雰囲気はどこか異様だった。
「なぁ…あの女そうだ我妻菜々とか言ったっけな?あいつの事をいい感じにやってくれて本当に助かったよ。お前とそのお祖父ちゃんだかがしっかりと締めてくれたんだろ?本当に面白いよなお前って。」
俺は彼の言動から、あまり起きてほしくない事態が起きたのだろうと察した。恐らく彼は我妻菜々のことを何らかの手段で脅していたのだろう。予想はしていたけど、やっぱり少し胸糞悪いと言うか…なんて言えば良いのかわからないけど、不快感が溢れかえってきている気がした。
「お前のやり口は昔っから知ってたからさ、今更何かを言うつもりはないけどさ…お前ってこんな事して楽しいか?人のことをイジメてさ。いい加減に大人になれよ。」
俺がそう言うと彼はその場で大げさに笑った。
「あ〜本当に面白い。でも説教はゴメンだよ。小学生の時に親父に怒られたのまだ少しトラウマになってんだ。だからさ…上から物言われるの本当に嫌いなんだよね。」
鋭い視線をこちらに向けてきたが、そんな事は関係ない。俺は言葉を続けた。
「じゃあお前に質問だ。お前がやってきた行為…あれはお前にどんなメリットがあった?」
「メリット?メリットとかデメリットとかそういう話じゃないんだよね…大事なのは、俺が楽しいか楽しくないかってことだよ。俺が楽しいと感じるなら、別に世間一般からは批判されるようなことであってもするし、逆も同じだよ。」
「お前…まじでいい加減にしろよ。中学まではイジメをしていることがバレたって義務教育だから基本的には厳重注意で済まされただろうな。でもな、高校ともなったらそうは行かないんだぞ。いい加減中学生気分はやめろよ‼」
俺がそこまで言うと、足を止めて彼は大きくため息を付いた。
「さっきも言ったよな?上から物を言われたりするのは嫌いだって…どうして俺が言ったことを守ってくれないんだ?」
「守るわけ無いよな?だって今までの自分の行いを振り返ってみろよ。お前がやったことは社会に出れば犯罪なんだよ。お前は将来の犯罪者予備軍と言っても過言じゃないんだよ‼」
こんな事を言えば激高するかもしれないが、俺は今までイジメをされてきたんだしこれくらい言っても何も問題はないだろう。
「…」
「だんまりか?自分にとって都合悪いことや、あんまり話題にしたくない話題だと、そうやって何も話をしないところは変わってないよな。」
俺はそう言って一歩後ずさった。なぜなら目の前のあいつが機嫌悪いのだと簡単に予想がつくからだ。
昔から俺はこいつと知り合いではあるものの、その関係は良好とは言えない。それに様々な悪評が広まっていること…こいつはしらないのだろうか?
「はぁ…そうやって黙ってこっちを見ていればお前は俺が従ったりとかすると思ってるのか?俺はもういじめられっぱなしじゃないんだよ。お前のこともいつか必ず制裁してやるからな。覚悟しておけよ。」
俺は心のなかで少し怯えていることを隠すように、強気にそういった。彼は未だ喋らない。こちらを向いたままどこか苛つきを隠しているかのような表情をしてこちらを見つめてくる彼は、俺が歩き出すのを確認すると少し横にずれた。
そして彼の隣を通り過ぎて俺はすぐにお祖父ちゃんの家に向けて歩いた。数時間ぶりに帰ってきたお祖父ちゃんの家は少し寒かった。
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
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