第80話 帰り道にて
凍えるような寒さの中、俺はお祖父ちゃんの家に向けて歩いていた。と言ってもここから数十分はかかるため防寒具を持ってきて正解だった。いくら話をするだけと言っても、寒さは関係なく襲ってくる。防寒具を持ってこずに感情に突き動かされて行動していたら、間違いなく風を引いていただろう。
「やっぱり落ち着いて行動しないと碌なことにならないな。」
そんな事をつぶやきながら、俺はただひたすらに歩いた。歩いてようやく母さんと会った所まで戻ってくることができた。
「はぁ…本当に面倒くさかったな。これからあの人と関わりを続けていたら、何かしらに毒されてしまいそうだ…」
交差点をわたり、お祖父ちゃんの家までは後少し歩くだけとなった。だが俺は1つの違和感を感じていた。
こう言ってしまうとあれなのだが…何者かに後をつけられている気がするのだ。するとすれば…母さんだろうか?あの人なら俺がこの後どこに行くか予想がつくだろうし、車じゃなくたって追いつこうと思えば追いつけるかもしれない。
だがそれ以外の人が俺の事をつけたりするだろうか?
「…少し泳がしてみるか。」
幸いなことにもお祖父ちゃんの家は大通りに面しているため、後をつけようと思ってもどうしても様々な人に見られてしまうだろう。そうなれば姿を見せずにいるのは難しいだろう。
俺は振り返ったりせずにどうにかつけてきている人の事を確認しようと思っていた。スマホの画面に反射して見えないかとか様々なことを試したが、結局効果はなかった。それどころか周囲の人に怪しまれてしまった。
「まぁそうだよね…スマホを見るだけなら、普通に手元で見ればいい話だし。でも確認しないわけには行かないんだよな…だれがつけてきているかが問題なんだし。」
もしこれをつけてきている人が母さんや父さんであれば別に特段問題はない。話し合いとかをする時にそれを提示すれば、こちらが有利に進めることができるからだ。しかしそれ以外の人の場合…色々と問題がある。
「俺の住所を知りたいとかそんな感じなのかな?でもそもそも住所が知りたいってなんだって話になるし…」
少なくともあのマンションを出てから5分程度は何も感じなかった。だから余計に怖く感じるのだ。
俺の後をつけてきているのが誰なのか…俺には分からなかった。
「なんとかして顔を確認したいんだけど…どうやったら確認できるんだろう?」
俺は周囲を見渡しながら、どうにかして俺の後方を確認できる物を探した。するとちょうどいい所に鏡があることに気づいた。
俺はあれを使えば後方に居て、俺の事をつけているやつのことを確認できるんじゃないかと思い、鏡の事を見て後方を確認した。
まぁ当然ながら鏡には何も写っていなかったが、足を止めずに見ていたためかもしかしたら厳格かもしれないけれど一瞬…あいつの顔が見えた気がした。
そして再び歩き出した俺の肩を叩いて足を止めさせてきた人が居た。
俺がとっさに振り向くとそこには笑顔でこっちを見ているやつの姿があった。
「お前…どうしてここにいるんだ。それに俺になんの用があるんだ。」
俺が寒さからくる震えなのか…それとも目の前のやつから垣間見える狂気の笑みからくる震えなのかはわからないけれど、とても嫌な寒気がした。
「やだな〜君と俺は小中高と一緒じゃないか。君は嫌がっていたようだけど、俺はとても面白かったし、楽しかったよ?」
「少なくとも俺は面白くなかったよ。それでなんの用なの?どうもさっきっから俺の事をつけていたみたいだけどさ…」
俺がそう言うとやつは驚いたような顔をして、こちらを見てきた。
「へぇ…君も少しは危機管理能力が上がったのかな?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます