第79話 別れ

「はぁ…どうしてそんな状況になってるんだか。俺には皆目見当もつかないよ。ていうかなんで銀行に行かなかったのか俺には全く分からないや…」



先程も同じようなことを言っていたが、正直これはすごく俺の中で疑問に残っている。確かに人に自分の事情を話したりするのは嫌だろうし、自分から開示したいと思う人は極少数だろう。それに色々な事情があるというのも分かる。



でもそういった機関で借りていれば今頃心労を抱えたりすることはなかっただろう。それに加えて他にも色々と返済などがあるのにどうしてそんなところから借りたのか…俺には全くわからない。



「まぁ良いや。これ以上話をしていたら父さんが帰ってきてしまうしな。別に話をしたくないというわけじゃないけど、とてもじゃないけど今の父さんと話すのはリスクが高い。急に襲いかかってきたりするかもしれないしな。」



俺がいくら高校生であったとしても、父さんは大人だ。体格だって俺は細めだが、父さんは筋肉もついている比較的ガッチリとしている。



高校生でもみっちりと鍛えていている格闘選手とか、空手の選手とかそういう人達だったら勝てるかもしれないけど、俺はそういう経験を積んでいるわけじゃない。



取っ組み合いの喧嘩に発展でもしたら、負けるのは目に見えている。怪我をしたくない俺からすれば、下手にここにとどまっていれば父さんが帰ってきた時に面倒くさいことになるのが容易に想像できる。



「それじゃあ母さん俺は帰るとするよ。母さんが俺に言ったことは絶対に忘れないけど、もし大変な事態に巻き込まれそうになったら…正直嫌だけど助けに行くよ。まぁ俺にできる範囲に限られるけどね。」



「そうしてくれると助かるわ。あの人も最近は機嫌が悪いみたいだし、下手にここにいると大変な目に合うかもしれないわ。それともし今度会う機会があるようなら、あの人がどこに行っているのかを突き止めてくれないかしら。」



「…どうして俺がそんな事をしないといけないんですか?たしかに俺と母さんは家族だ。血の繋がりはあるしそれは間違いないだろう。でもね、あなたから縁を切るような真似をしたんですよ?そんな人の頼みを聞けっていうのは…おかしいんじゃないですか?」



俺は母親からの頼みをそう一蹴した。俺と母さんの間に残っているのは血の繋がりだけなんじゃないか?それ以外にはもうないだろう。家族の絆?母から子への愛情?そんな物はもう無い。



「ごめんね。でもあの人がどこに行ってるのか私じゃ調べられないのよ。だって車で何処かに行っちゃうんですもの…」



それじゃあ余計に俺は無理だろう。そんなこともわからないのだろうかこの人は…



「車で何処かに出かけているなら、余計に無理でしょ…ただでさえ解決できてないことが山程残ってるのに、そんなことにまで時間を割けないよ。それは母さんと父さんの問題なんじゃないの?」



俺がそう問いかけると、母さんはうつむいて更にこういった。



「確かに私の個人的なお願いだし、聞いてくれなくてもしょうがないとは思ってるわ。でもね…どうしても私は気になるの。あの人がどこで何をしているのか。どうして車で何処かに出かけるようになったのか、私は知りたいのよ。」




このまま話をしていても埒が明かない。もう家に帰るとしよう。



俺は玄関の扉を開けてマンションの外へと出た。マンションの外は来たときよりも風が吹いているせいか寒く感じる。



後ろから追いかけてくる母さんのことを無視して扉を締めて、俺はお祖父ちゃんの家に向けて歩き出した。当然母さんも追ってくるだろう…だがそんな事は関係ない。母さんが何をしようとも俺は家に帰るだけだ。



それにもう夜だ。それも8時を回っている。当初に予想していたよりも長く話をしていたようだ。









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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!


ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!


リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜







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