第77話 嘘
「はぁ…父さんがそんな事を考えていたなんて正直思わなかったよ。俺と愛華の事を家に閉じ込めておけば事態が好転するとでも思ったのかな?」
「それはわからないわね…私もあの人の考えている事がわからないことがあるけれど、今回の話は…まぁわかりやすい話だったわ。あの人が嫌うもの…息子である貴方なら分かるでしょう?」
父さんが嫌う物…それは自分にとって不利な状況になることと、それに関する噂が流れることだ。
これに関して言えば1つわかりやすいことがあった。俺が中学1年生の時…小学生から引き続きいじめられていたが、俺はそのことを担任にほのめかすような内容を言ったのだ。
直接訴えるのは正直恥ずかしいと言う所もあったが、それでも勇気を出して言ってみたのだ。しかし結果から言うと、俺のこの話はなかったことになった。
だが俺がイジメをされているというのは一時期学校中の話題になった。その話は近所にも広がっていたらしく、父さんと母さんが経営しているお店にも色んな人がやってきて俺のことについて話を聞きに来たそうだ。
そして噂が流れてから1日とたたずに、俺に向かって父さんは暴言を吐いた。
どうしてイジメをされているなんていったんだと…子供がイジメをされていると訴えることはダメなのだろうか?と当時は真面目に考えるほどだったが、今考えると父さんが言っていることは頭のおかしいことだと思う。
「分かるよ。というか実際に言われたしね。暴言を吐かれたっけな?あの時母さんはお店の方に言ってたみたいだけど、正直俺は疑ってるんだよね…だってさ、父さんはお店のことを基本的に誰かに任せたりとかはしないから、それがたとえ母さんだとしてもお店を1人には任せたりはしないと思うんだよね〜」
俺は母さんがどんな反応をするか注意深く観察をしていた。母さんはよく動揺すると肩を一瞬だけ上に上げる癖がある。それに人間誰しもが動揺したり、嘘をついていたりすると眼を泳がせたりするらしい。
必ずしもそうだとは思わないが、母さんのことを何回も見てきた俺からすれば正直わかりやすい。母さんが嘘をついていることが分かればその時はその時だ。再び問い詰めればいいだろう。
そして俺が母さんのことをにらみつけるように見ていると、母さんは俺の予想通り肩を一瞬だけ上に上げた。
「本当に私はお店にいたのよ?それは本当よ。」
目を見れば目の焦点が定まっていないため、嘘をついているのがまるわかりだ。どうせお店の中で何かをしていたというわけではないだろう。
となれば…どこで何をしていたのか本当のことを聞かなければいけないだろう。元家族のよしみでだが、もし何かに巻き込まれているようであれば俺は母さんや父さんのことを助けてあげなければいけない。
まぁ俺のことを助けてくれなかった人たちのことなんて本来であれば、助けたりする必要なんてないけれどそれをしてしまったら俺はこの人たちと同じ人間になってしまう。俺は困っている一がいたら手を差し伸べることができる人間になりたいのだ。
「ふ〜ん…母さんは本当にお店にいたの?」
「えぇ本当よ…」
「どうしてそこで言い淀むのさ。なにか悩んでいることがあるんだったら、俺に話をしてよ。それが本当に大変なことなら、俺だって手を貸すよ。」
「…確かに困ってることには変わりないけれど、貴方を巻き込んだりすることはできないわ。」
巻き込んだりすることはできない…つまり巻き込みたくないということだろう。
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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!
今日も見てくれてありがとうございます!!
小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)
当分は深夜に投稿することになると思います…
若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…
恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!
他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!
さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!
ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!
リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜
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