第76話 感じていた違和感

「…わかったわ。」



以外だ…母さんはもっとなにか言ってくると思っていたが、母さんがこうやって何も言わずに俺の話を聞いてうなずいていることに違和感を覚えていた。



「ねぇ…1つ聞きたいんだけど良いかな?」



「なにかしら?」



「この家を出てから、いつも思ってたんだけど…どうしてあんな事を言ったの?俺に面と向かってさ。」



「…」



母さんはこの話題を出した瞬間に、黙り込んでしまった。母さんは暗い顔をしているけど、俺に対して言ったあの言葉は少なくとも俺は許すことはできない。



「母さんは俺に言ったよね?あんたなんて産まなきゃよかったって…俺があれでどれだけ傷ついたかわかる?実の母親に否定された俺の気持ち…考えたことないでしょ。」



「そんなことないわ!!確かにあの時はついカッとなってあんな言葉を言ってしまったけれど、後でどれだけ後悔したことか…」



「嘘を言わなくていいよ。母さんが俺に対して言った言葉を訂正したり、後悔したりすることはないって知ってるから。」



「えっ?」



「はぁ…母さんのことを一番理解しようとしてきた人間は俺なんだよ?だから母さんがどんな事を考えているのか、母さんがどういう事をしようとしているのか俺はいつも考えてたんだ。だから今母さんが考えていることも何となく分かるよ。」



母さんが今考えていること…それは、『どうやってこの状況を乗り切るか…』と言った具合だろう。



「どうせこの場を乗り切ってしまえば…みたいな事考えているんじゃない?話を適度に長引かせて、最終的に自分の要望だったりをお祖父ちゃんに伝えてほしいんじゃないの?」



母さんと父さんに対してどれだけの金額を支援金として、お祖父ちゃんが渡していたのかはしらないけど、少なくとも少額ではないことはわかる。お店の赤字経営を黒字経営に修正するほどの金額ともなれば、多額であることは確かだ。



「この際だから言わせてもらうんだけどさ…母さんと父さんはお祖父ちゃんに毎月いくらもらってるわけ?少なくとも、数千とか数万っていう次元じゃないと思うんだけど…」



母さんの表情を見ると、先程よりも暗くなっていることに気づいた。もしかして…数万でも足りていないのか?



「ねぇ…なんとか言ってよ。どれくらい毎月もらってるの?」



「十数万…時には数十万になることもあるわ。」



お祖父ちゃんも実の息子とその嫁が運営するお店だからってお金をそんなに出さなくてもいいのに…というかこのご時世でよくお店をやろうと思ったものだ…もちろん他人の夢を否定したりするつもりはないけどね?



「そうなんだ。まぁ良いよ…とりあえず元の話に戻すけどいいよね?」



「えぇ構わないわ。」



「じゃあさ…母さんは俺にあんな言葉を言ってしまったわけだけど…あんな事を言っておきながら、2週間くらい前にお祖父ちゃんの家に来て、俺と愛華の事を取り戻そうとしてきたよね?あれってどういう意図で行動したのか教えてくれない?」



「…わかったわ。これはお父さんからの指示なのよ。叶斗と愛華を家に連れ帰って、家の外に出さないようにしろって…」



「どうしてそんな指示を…」



「それは多分…お店の売上に影響が出ると考えちゃったのかもしれないわね。自分の息子が同学年の子にイジメをしたという噂が周囲に広まっちゃったら、売上に大きく影響が出るというのは間違いではないと思うわ。」



「はぁ…」



俺は父さんへの評価を改めたほうが良いのかもしれない。俺は少し前に父さんと話をしたが、そんな風に考えていたとは思いもしなかった…












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お陰様で恋愛週間ランキング最高2位に載りました!!これも皆様の応援のおかげです!!


今日も見てくれてありがとうございます!!

小説のフォローや星での評価をしていただけると幸いです(^^)


当分は深夜に投稿することになると思います…


若干時間無い中書いたので、文章がおかしいところがあるかもしれませんが気にせず読んでいただけると幸いです…


恋愛要素は少し遅めに登場しますのであしからず!!


他視点と表記するのではなく、詳細を書く方向で進めることにしました!!


さぁ…だんだんと盛り上がってきましたよ!!何やら怪しい雰囲気…これから先どうなるのでしょうか!!


ジャンル区分があってるかどうかの指摘とかは随時受け付けます!!色々と修正をしながら、色んな意見を取り入れて作品を完成させたいなと思っています!!


リメイク計画も実行中ですので、よければ是非〜







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